重症筋無力症クリーゼに遭遇したら

「はじめに」 重症筋無力症(myasthenia gravis : MG)はその名の通り, 以前はたいへん重症な疾患であった. 患者はクリーゼを繰り返し, 死亡率も極めて高かった. 1940年頃の本症による死亡率は約30%とされている. しかし, その後の医学の進歩によりクリーゼは確実に減少した. 全身状態の管理の進歩もさることながら, 治療にステロイドを使用するようになったことが大きいと考えられる. とくに最近は診療ガイドライン2014に記載されている通り治療方針の大きな転換が行われ, 病初期に早期速効性治療を用いることが増えたことから, クリーゼに陥る患者はさらに減少している. それでも,...

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Veröffentlicht in:神経治療学 2019, Vol.36(4), pp.384-386
1. Verfasser: 村井, 弘之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 重症筋無力症(myasthenia gravis : MG)はその名の通り, 以前はたいへん重症な疾患であった. 患者はクリーゼを繰り返し, 死亡率も極めて高かった. 1940年頃の本症による死亡率は約30%とされている. しかし, その後の医学の進歩によりクリーゼは確実に減少した. 全身状態の管理の進歩もさることながら, 治療にステロイドを使用するようになったことが大きいと考えられる. とくに最近は診療ガイドライン2014に記載されている通り治療方針の大きな転換が行われ, 病初期に早期速効性治療を用いることが増えたことから, クリーゼに陥る患者はさらに減少している. それでも, 手術後や感染症罹患後などにクリーゼになる患者はいまだになくならない. そこで, 本稿では, どうやったらクリーゼに陥るリスクを減らすことができるのか, また, それでもクリーゼになったらどうすればいいのかについて考えてみたいと思う.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.36.4_384