2. 認知症の概念と疾患修飾薬開発

「I. 正常から軽度認知障害・認知症への進行は連続性を有する変化」Alzheimer病(Alzheimer's disease:AD)の根本治療薬開発を目指して, 発病早期段階のADを改めて見直す動きが進んでいる. 治療薬開発に成功するには, 発病早期段階のADをいかに正確に把握するかが不可欠との考えからである. 正常認知機能から逸脱し, 認知症に至る過程は時間的に見ても脳病変の空間的広がりから見ても連続性を持った変化と考えられているため, 正常と軽度認知障害の境界或いは軽度認知障害と認知症の境界は必ずしも明瞭ではない. しかし, 臨床現場では, 認知機能も日常生活機能もともに自立し...

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Veröffentlicht in:神経治療学 2018-12, Vol.35 (3), p.219-221
1. Verfasser: 荒井啓行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 正常から軽度認知障害・認知症への進行は連続性を有する変化」Alzheimer病(Alzheimer's disease:AD)の根本治療薬開発を目指して, 発病早期段階のADを改めて見直す動きが進んでいる. 治療薬開発に成功するには, 発病早期段階のADをいかに正確に把握するかが不可欠との考えからである. 正常認知機能から逸脱し, 認知症に至る過程は時間的に見ても脳病変の空間的広がりから見ても連続性を持った変化と考えられているため, 正常と軽度認知障害の境界或いは軽度認知障害と認知症の境界は必ずしも明瞭ではない. しかし, 臨床現場では, 認知機能も日常生活機能もともに自立している状態像を正常, 認知機能はやや低下しているものの日常生活機能の自立性は概ね保たれているのが軽度認知障害, 認知機能も日常生活機能の自立性もともに障害されているレベルが認知症と大きく3つのカテゴリーに分類することが行われている.
ISSN:0916-8443