脊椎椎体骨折受傷後の早期リハビリテーションで生じる骨性疼痛に経皮的電気神経刺激 (TENS) は有効か? : ケースレポート

「要旨」本症例研究では, 脊椎椎体骨折受傷後の早期リハビリテーションで生じる骨性疼痛に対して, 離床や運動療法にTENSを併用した場合の有効性について検討することを目的とした. 神経症状を伴わない骨粗鬆症性の第9胸椎と第2腰椎椎体骨折と診断され, 当院回復期リハビリテーション病棟へ入棟となった70歳代後半の女性を対象とした. 研究デザインはABABデザインを採用し, A期とA'期を基礎水準期, B期とB'期をTENS併用期とした. ベッド上での座位保持時とベッド上での起き上がり動作時の疼痛(NRS), ベッド上での起き上がり動作時間は, B期において治療前後の改善の程度が大...

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Veröffentlicht in:物理療法科学 2022-08, Vol.29, p.77-82
Hauptverfasser: 濱口翔, 森聡, 吉田英樹, 浦田健児
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本症例研究では, 脊椎椎体骨折受傷後の早期リハビリテーションで生じる骨性疼痛に対して, 離床や運動療法にTENSを併用した場合の有効性について検討することを目的とした. 神経症状を伴わない骨粗鬆症性の第9胸椎と第2腰椎椎体骨折と診断され, 当院回復期リハビリテーション病棟へ入棟となった70歳代後半の女性を対象とした. 研究デザインはABABデザインを採用し, A期とA'期を基礎水準期, B期とB'期をTENS併用期とした. ベッド上での座位保持時とベッド上での起き上がり動作時の疼痛(NRS), ベッド上での起き上がり動作時間は, B期において治療前後の改善の程度が大きかった. また, ADLおよびQOL(オズウェズトリー腰痛障害質問票(ODI))において, A期からB期ならびにA'期からB'期にかけて継続的な改善が認められた. これらの結果より, 受傷後早期から離床や運動療法にTENSを併用すると, 経過において有害な作用は与えずに, 脊椎椎体骨折受傷後急性期の骨性疼痛の鎮痛やADLならびにQOLの改善に有効である可能性が示された.
ISSN:2188-9805