腰部脊柱管狭窄症術後の異常知覚に対して経皮的電気刺激を試みた一症例: シングルケースデザインによる検討

腰部脊柱管狭窄症の術後症状として,異常知覚は残存しやすいとされているが,異常知覚に対する理学療法効果については不明である.本研究は,腰部脊柱管狭窄症術後患者の異常知覚の軽減を目的に,経皮的電気刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:TENS)を実施したので報告する.症例は腰部脊柱管狭窄症術後の70歳代女性で,術後から下肢に異常知覚を訴えていた.本研究はシングルケースデザインのBABデザインを用いて,基礎水準期は標準的理学療法のみとし,操作導入期は標準的理学療法実施時にTENSを併用した.異常知覚は操作導入期で改善する傾向があった.表在感覚は...

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Veröffentlicht in:物理療法科学 2019, Vol.26(1), pp.66-71
Hauptverfasser: 初瀬川, 弘樹, 安彦, 鉄平, 川上, 彩佳, 深田, 光穂, 行岡, 和彦, 木本, 真史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腰部脊柱管狭窄症の術後症状として,異常知覚は残存しやすいとされているが,異常知覚に対する理学療法効果については不明である.本研究は,腰部脊柱管狭窄症術後患者の異常知覚の軽減を目的に,経皮的電気刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:TENS)を実施したので報告する.症例は腰部脊柱管狭窄症術後の70歳代女性で,術後から下肢に異常知覚を訴えていた.本研究はシングルケースデザインのBABデザインを用いて,基礎水準期は標準的理学療法のみとし,操作導入期は標準的理学療法実施時にTENSを併用した.異常知覚は操作導入期で改善する傾向があった.表在感覚は徐々に改善を認め,歩行速度や連続歩行距離などの運動機能についても,操作導入期で改善する傾向があった.しかし,歩行時の体幹前傾角度は著明な改善は認めなかった.腰部脊柱管狭窄症術後患者の異常知覚に対するTENSは,アライメントの変化はなくとも,異常知覚,表在感覚,運動機能に影響を与える可能性が示唆された.
ISSN:2188-9805
2758-1063
DOI:10.57337/jjeapt.18-2