上肢末梢神経電気刺激が脳出血モデルラットの損傷部位に与える影響
現在,末梢神経電気刺激(以下,PNS)の中枢神経への影響,特に脳損傷部位の生化学的変化に関する報告は少ない.そこで,本研究では脳出血モデルラットを作製し,PNSによる中枢神経損傷に与える影響を検討することを目的とした.雄のウィスター系ラットを用い,Sham群,Sham+PNS群,Hemorrhage群,Hemorrhage+PNS群に分け,HemorrhageはStereotaxic装置により右線条体にコラーゲナーゼ(typeⅣ)を注入した.翌日よりPNSを2週間実施し,運動機能の評価をするためにGrip testを行った.また,2週間のPNS終了後,線条体スライス標本を作製し,免疫組織学的手...
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Veröffentlicht in: | 物理療法科学 2015, Vol.22(1), pp.35-43 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現在,末梢神経電気刺激(以下,PNS)の中枢神経への影響,特に脳損傷部位の生化学的変化に関する報告は少ない.そこで,本研究では脳出血モデルラットを作製し,PNSによる中枢神経損傷に与える影響を検討することを目的とした.雄のウィスター系ラットを用い,Sham群,Sham+PNS群,Hemorrhage群,Hemorrhage+PNS群に分け,HemorrhageはStereotaxic装置により右線条体にコラーゲナーゼ(typeⅣ)を注入した.翌日よりPNSを2週間実施し,運動機能の評価をするためにGrip testを行った.また,2週間のPNS終了後,線条体スライス標本を作製し,免疫組織学的手法を用いて損傷範囲,c-Fos,caspase-3,TUNEL陽性細胞の増減を比較検討した.Hemorrhage群及びHemorrhage+PNS群はともにSham群,Sham+PNS群に比較しコラーゲナーゼ注入側と対側の左前肢に有意な握力低下が認められたが,Hemorrhage+PNS群はHemorrhage群に比べ握力の有意な改善が見られた.また,Hemorrhage群と比較しHemorrhage+PNS群に有意な損傷範囲の縮小が見られた.一方,c-FosはSham群とSham+PNS群に対してHemorrhage群は有意な増加を認めたが,Hemorrhage+PNS群では有意な減少が見られた.Caspase-3とTUNEL陽性細胞はHemorrhage+PNS群でHemorrhage群より有意な減少を示した.これらの結果より,PNSは脳出血損傷部位のc-Fos,caspase-3の発現を減少させ,アポトーシスを抑制することが認められた.このアポトーシスの抑制が脳出血損傷範囲の縮小を引き起こし,上肢握力低下の改善に影響を与えた可能性が示唆された. |
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ISSN: | 2188-9805 2758-1063 |
DOI: | 10.57337/jjeapt.14-2 |