短鎖脂肪酸の線維化促進因子発現抑制に対する超音波照射の促進作用

遺伝子導入を中心に,超音波による各種分子の細胞内導入法であるソノポレーションが適用されている.我々は,核内のヒストンアセチル化により遺伝子発現を調節する短鎖脂肪酸の抗線維化作用を報告してきた.本研究では,短鎖脂肪酸の酪酸が有する抗線維化作用に対する超音波照射の影響をケロイド由来線維芽細胞において検討した.耳垂ケロイド由来線維芽細胞を60-mm tissue culture dishに播種し,その24時間後に酪酸0 mM(control),4 mM(低濃度酪酸),16 mM(高濃度酪酸)を添加した.超音波照射条件については,周波数3 MHz,SATA強度0.5 W/cm2,照射時間10分間,ER...

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Veröffentlicht in:物理療法科学 2014, Vol.21(1), pp.53-58
Hauptverfasser: 前重, 伯壮, 田淵, 寛人, 古賀, 由華, 越智, 茜, 植村, 弥希子, 石川(青山), 倫子, 三好, 真琴, 杉元, 雅晴, 寺師, 浩人, 宇佐美, 眞
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:遺伝子導入を中心に,超音波による各種分子の細胞内導入法であるソノポレーションが適用されている.我々は,核内のヒストンアセチル化により遺伝子発現を調節する短鎖脂肪酸の抗線維化作用を報告してきた.本研究では,短鎖脂肪酸の酪酸が有する抗線維化作用に対する超音波照射の影響をケロイド由来線維芽細胞において検討した.耳垂ケロイド由来線維芽細胞を60-mm tissue culture dishに播種し,その24時間後に酪酸0 mM(control),4 mM(低濃度酪酸),16 mM(高濃度酪酸)を添加した.超音波照射条件については,周波数3 MHz,SATA強度0.5 W/cm2,照射時間10分間,ERA 6.0 cm2を使用し,照射時間率20%(パルスモード)および100%(連続モード)の超音波を低濃度および高濃度酪酸添加直後,および24時間後に照射し,酪酸添加48時間後にmRNAを採取した.real time PCR法にて線維化促進因子であるTGF-β1,a-SMA mRNA発現を定量した.低濃度酪酸添加単独では,a-SMA,TGF-β1ともに有意な変化が認められなかったが,パルスモードおよび連続モード超音波照射によりTGF-β1発現の有意な抑制(p<0.01)が観察された.高濃度酪酸においては,酪酸添加単独でa-SMA,TGF-β1ともに強く発現が抑制され,超音波照射による追加的効果は認められなかった.低濃度酪酸添加時に超音波照射の追加的抑制効果を認めたことは,超音波照射が酪酸の作用を補完的に促進したことを示唆している.
ISSN:2188-9805
2758-1063
DOI:10.57337/jjeapt.13-4