予想外の主膵管内進展を示し膵全摘となった粘液産生の少ない膵胆道型浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌の1例

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は,胃型,腸型,膵胆道型の3亜型に分類され,最も頻度の少ない膵胆道型IPMNは,悪性度が高いとされるが,主膵管内進展しやすい腫瘍かどうかは不明である.症例は75歳,女性.超音波内視鏡検査で膵頭部主膵管に15mm大の隆起性病変を認め,離れて3mm大の小結節を尾側方向に認めた.ERP時の生検から膵胆道型IPMN,高異型度の診断が得られ,小結節を含め膵頭十二指腸切除術を施行した.術中迅速診断では,膵体部切除断端の主膵管粘膜に高異型度IPMNを認めたため膵全摘術を施行した.永久標本では,膵頭部主膵管に充満するように最大径約15mmの膵胆道型浸潤性IPMNを認め,異型上皮...

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Veröffentlicht in:膵臓 2024/08/30, Vol.39(4), pp.270-279
Hauptverfasser: 岡﨑, 三千代, 大家, 力矢, 賴田, 顕辞, 山井, 礼道, 木村, 哲夫, 横川, 彩子, 重久, 友理子, 前田, 充毅, 窪田, 綾子, 岩﨑, 丈紘, 内多, 訓久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は,胃型,腸型,膵胆道型の3亜型に分類され,最も頻度の少ない膵胆道型IPMNは,悪性度が高いとされるが,主膵管内進展しやすい腫瘍かどうかは不明である.症例は75歳,女性.超音波内視鏡検査で膵頭部主膵管に15mm大の隆起性病変を認め,離れて3mm大の小結節を尾側方向に認めた.ERP時の生検から膵胆道型IPMN,高異型度の診断が得られ,小結節を含め膵頭十二指腸切除術を施行した.術中迅速診断では,膵体部切除断端の主膵管粘膜に高異型度IPMNを認めたため膵全摘術を施行した.永久標本では,膵頭部主膵管に充満するように最大径約15mmの膵胆道型浸潤性IPMNを認め,異型上皮が膵尾部方向に約9cmの範囲で主膵管内進展を示していた.膵胆道型IPMN(主膵管型)では,予想外の主膵管内進展を示すことがあるため,術中迅速診断を併用し切除範囲に十分留意する必要がある.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.39.270