急性膵炎後局所合併症に対するEUS下ドレナージ: 膵液瘻,ネクロセクトミーも含めて
膵周囲液体貯留(PFC)は急性膵炎に伴う代表的な晩期合併症であり,治療の第一選択は保存的治療であるが,感染や消化管通過障害を併発した場合にはドレナージの適応となる.近年の機器や手技の進歩により,超音波内視鏡(EUS)下にPFCを穿刺しドレナージを行う方法が普及し,良好な治療成績が報告されている.しかし,壊死物質を多く含むwalled-off necrosis(WON)に対してはEUS下ドレナージ単独では治療に難渋することも多く,内視鏡的ネクロセクトミーを段階的に追加する,内視鏡的step-up approach法が主流となっている.現在,さらなる良好なドレナージ効果を目指し専用の金属ステントも...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2023/08/31, Vol.38(4), pp.217-228 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 膵周囲液体貯留(PFC)は急性膵炎に伴う代表的な晩期合併症であり,治療の第一選択は保存的治療であるが,感染や消化管通過障害を併発した場合にはドレナージの適応となる.近年の機器や手技の進歩により,超音波内視鏡(EUS)下にPFCを穿刺しドレナージを行う方法が普及し,良好な治療成績が報告されている.しかし,壊死物質を多く含むwalled-off necrosis(WON)に対してはEUS下ドレナージ単独では治療に難渋することも多く,内視鏡的ネクロセクトミーを段階的に追加する,内視鏡的step-up approach法が主流となっている.現在,さらなる良好なドレナージ効果を目指し専用の金属ステントも開発され,この分野の技術的進歩は著しい.このような背景から治療困難であったPFCに対しても内視鏡治療のみで完治が望めるようになってきた.しかし,時に治療に伴い致命的な偶発症が起きる可能性があり,適応の判断と手技,起こりうる偶発症とその対処法を熟知することが重要である. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.38.217 |