腫瘤を伴わない主膵管狭窄の臨床的特徴の検討

腫瘤を伴わない膵管狭窄や限局性膵萎縮は早期の膵癌所見として注目されている.2010年1月~2020年12月に内視鏡的逆行性膵管造影検査で膵管精査及び病理検査を行った膵腫瘤を伴わない主膵管狭窄症例36症例37回を対象とし,病理診断成績及び悪性狭窄症例における患者背景・画像的特徴について検討を行った.男性/女性 18/19例,年齢中央値74歳,観察期間中央値952日,最終診断は悪性/良性 12/25例であった.膵液/擦過/経鼻膵管ドレナージ下連続膵液細胞診の感度はそれぞれ50%/57%/50%であり,すべての病理検査を合わせた全体の感度は67%であった.悪性群では急性膵炎歴が少なく,男性,狭窄長5...

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Veröffentlicht in:膵臓 2023/04/28, Vol.38(2), pp.147-157
Hauptverfasser: 佐藤, 克彦, 重川, 稔, 吉岡, 鉄平, 山本, 修平, 松前, 高幸, 木積, 一浩, 佐藤, 悠, 岡部, 純弥, 小玉, 尚宏, 疋田, 隼人, 巽, 智秀, 竹原, 徹郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:腫瘤を伴わない膵管狭窄や限局性膵萎縮は早期の膵癌所見として注目されている.2010年1月~2020年12月に内視鏡的逆行性膵管造影検査で膵管精査及び病理検査を行った膵腫瘤を伴わない主膵管狭窄症例36症例37回を対象とし,病理診断成績及び悪性狭窄症例における患者背景・画像的特徴について検討を行った.男性/女性 18/19例,年齢中央値74歳,観察期間中央値952日,最終診断は悪性/良性 12/25例であった.膵液/擦過/経鼻膵管ドレナージ下連続膵液細胞診の感度はそれぞれ50%/57%/50%であり,すべての病理検査を合わせた全体の感度は67%であった.悪性群では急性膵炎歴が少なく,男性,狭窄長5mm未満,限局性膵萎縮が有意に多かった.診断に難渋した4例のうち2例は確定診断時に遠隔転移を認めていた.腫瘤形成を伴わない膵管狭窄の3割程度が悪性狭窄であり,積極的なERP精査が必要である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.38.147