肝腸間膜動脈幹に置換右肝動脈を合併した破格に対する膵頭十二指腸切除術の1例

症例は65歳の男性で,膵頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術(pancreatoduodenectomy:PD)の方針となった.術前3D-CTで上腸管膜動脈から左右肝動脈(hepatic artery:HA)が別分岐しており,膵上縁で左HAと胃十二指腸動脈(gastroduodenal artery:GDA)に分岐していた.術中,左HAを辿ってGDAの分岐部を明らかにしてクランプテストを行い,左HAを損傷することなく根部でGDAを処理した.肝胆膵領域におけるHAの破格は約20%に見られ,HA損傷により術後肝障害,肝膿瘍,縫合不全を来すことがある.HAの破格としてはMichelsやHiatt分類等が知...

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Veröffentlicht in:膵臓 2022/04/28, Vol.37(2), pp.81-86
Hauptverfasser: 浦岡, 未央, 船水, 尚武, 新恵, 幹也, 宇都宮, 健, 田村, 圭, 坂元, 克考, 小川, 晃平, 北澤, 理子, 高田, 泰次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳の男性で,膵頭部癌に対し膵頭十二指腸切除術(pancreatoduodenectomy:PD)の方針となった.術前3D-CTで上腸管膜動脈から左右肝動脈(hepatic artery:HA)が別分岐しており,膵上縁で左HAと胃十二指腸動脈(gastroduodenal artery:GDA)に分岐していた.術中,左HAを辿ってGDAの分岐部を明らかにしてクランプテストを行い,左HAを損傷することなく根部でGDAを処理した.肝胆膵領域におけるHAの破格は約20%に見られ,HA損傷により術後肝障害,肝膿瘍,縫合不全を来すことがある.HAの破格としてはMichelsやHiatt分類等が知られているが,本症例のような破格はいずれの分類にも相当せず,現在までに報告例はなく,非常に稀である.PD時には,3D-CTによる画像評価とクランプテストがHA損傷予防に肝要である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.37.81