EUS-fine needle biopsyで診断し得た膵内ganglioneuromaの1例

症例は15歳,男性.健診で指摘された胸部レントゲン異常陰影の精査目的に受診した.胸腹部造影CTで右胸腔内後縦郭および膵頭部内に境界明瞭で造影効果の乏しい腫瘍を認めた.後縦郭腫瘍に経皮的CTガイド下針生検を施行した.紡錘形細胞が索状に増殖し,内部に好塩基性胞体を示す神経節細胞が混在する組織像を呈し,病理組織学的にganglioneuroma(GN)と診断した.膵腫瘍の画像所見は 後縦郭腫瘍と酷似していたが,膵内発生のGNは極めて稀であることから,endoscopic ultrasound-fine needle biopsy(EUS-FNB)を行い,GNであることを確認した.以上より,後縦郭およ...

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Veröffentlicht in:膵臓 2021/10/30, Vol.36(5), pp.339-347
Hauptverfasser: 佐藤, 辰宣, 石渡, 裕俊, 石川, 和真, 佐々木, 恵子, 石田, 裕二, 岸田, 圭弘, 松林, 宏行, 小野, 裕之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は15歳,男性.健診で指摘された胸部レントゲン異常陰影の精査目的に受診した.胸腹部造影CTで右胸腔内後縦郭および膵頭部内に境界明瞭で造影効果の乏しい腫瘍を認めた.後縦郭腫瘍に経皮的CTガイド下針生検を施行した.紡錘形細胞が索状に増殖し,内部に好塩基性胞体を示す神経節細胞が混在する組織像を呈し,病理組織学的にganglioneuroma(GN)と診断した.膵腫瘍の画像所見は 後縦郭腫瘍と酷似していたが,膵内発生のGNは極めて稀であることから,endoscopic ultrasound-fine needle biopsy(EUS-FNB)を行い,GNであることを確認した.以上より,後縦郭および膵に発生したGNと診断し経過観察を行っている.GNは稀な交感神経由来の良性腫瘍であるが,膵に発生しEUS-FNBで診断に至った報告はなく今回,報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.339