環状の造影パターンを呈した膵神経内分泌腫瘍の一例

症例は50歳,女性.統合失調症,肥満症で経過観察中,背部痛を認め,腹部CT検査で膵頭部に25mm大の腫瘤性病変を指摘された.腹部Gd-EOB-DTPA造影MRI検査では動脈相で環状に濃染し中央部が造影効果乏しく,PET-CT検査では同部位にSUV max 8.61のFDG集積を認めた.腫瘍マーカーはCA19-9 40U/mlと上昇を認めた.非機能性膵神経内分泌腫瘍を疑ったが膵頭部癌も否定できず,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術,D2郭清を施行した.病理組織学的検査より膵神経内分泌腫瘍T2N1M0,Stage IIB;WHO分類Grade 2と診断した.造影MRI検査の動脈相で多血性に描出された部位...

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Veröffentlicht in:膵臓 2021/10/30, Vol.36(5), pp.331-338
Hauptverfasser: 福尾, 飛翔, 前平, 博充, 飯田, 洋也, 森, 治樹, 安川, 大貴, 新田, 信人, 貝田, 佐知子, 三宅, 亨, 山口, 剛, 松原, 亜季子, 谷, 眞至
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は50歳,女性.統合失調症,肥満症で経過観察中,背部痛を認め,腹部CT検査で膵頭部に25mm大の腫瘤性病変を指摘された.腹部Gd-EOB-DTPA造影MRI検査では動脈相で環状に濃染し中央部が造影効果乏しく,PET-CT検査では同部位にSUV max 8.61のFDG集積を認めた.腫瘍マーカーはCA19-9 40U/mlと上昇を認めた.非機能性膵神経内分泌腫瘍を疑ったが膵頭部癌も否定できず,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術,D2郭清を施行した.病理組織学的検査より膵神経内分泌腫瘍T2N1M0,Stage IIB;WHO分類Grade 2と診断した.造影MRI検査の動脈相で多血性に描出された部位に一致して大小の類円形核を有する異型細胞が存在し,乏血性に描出された部位に一致して線維化形成を認めた.このような環状の造影パターンを呈する膵神経内分泌腫瘍はまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.331