不妊治療中に診断された膵尾部粘液嚢胞性腫瘍の1例

症例は,40歳女性.1年前から不妊治療を受けていた.数ヶ月前より左上腹部の張りと痛みを自覚し,増悪したため近医を受診した.診察で左上腹部腫瘤を指摘され,超音波検査で嚢胞性腫瘍を認め,精査目的に紹介となった.腹部CT,MRI検査で左上腹部に16cm大の多房性嚢胞性腫瘍を認めた.主膵管拡張はなく,腫瘍と主膵管の交通は認めなかった.膵尾部粘液嚢胞性腫瘍(MCN)と診断し,膵体尾部切除術,脾摘術を施行した.術後経過良好で術後第13病日に退院した.病理診断はmucinous cystic neoplasm with intermediate grade dysplasiaであった.卵巣様間質を認め,エス...

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Veröffentlicht in:膵臓 2021/10/30, Vol.36(5), pp.322-330
Hauptverfasser: 小泉, 大, 大豆生田, 尚彦, 宮原, 悠三, 北林, 宏之, 塩澤, 幹雄, 近藤, 悟, 河合, 繁夫, 兒玉, 多曜
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は,40歳女性.1年前から不妊治療を受けていた.数ヶ月前より左上腹部の張りと痛みを自覚し,増悪したため近医を受診した.診察で左上腹部腫瘤を指摘され,超音波検査で嚢胞性腫瘍を認め,精査目的に紹介となった.腹部CT,MRI検査で左上腹部に16cm大の多房性嚢胞性腫瘍を認めた.主膵管拡張はなく,腫瘍と主膵管の交通は認めなかった.膵尾部粘液嚢胞性腫瘍(MCN)と診断し,膵体尾部切除術,脾摘術を施行した.術後経過良好で術後第13病日に退院した.病理診断はmucinous cystic neoplasm with intermediate grade dysplasiaであった.卵巣様間質を認め,エストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプター陽性だった.不妊治療中に診断されたMCNの報告は検索した限り認めなかった.妊娠,不妊治療とMCNとの関連について文献的考察を加え報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.322