主膵管の狭窄を伴った膵神経内分泌腫瘍の1例

症例は65歳男性.検診で膵体部に腫瘤性病変を指摘され,精査加療目的で当院に紹介された.腹部造影CTで膵体部に動脈相で周囲膵組織より濃染される10mm×7mm大の腫瘤性病変を認め,病変近傍の主膵管狭窄および尾側の拡張を伴っていた.膵神経内分泌腫瘍(pNET)が疑われたが,主膵管の狭窄を伴う点が非典型的であり,超音波内視鏡下穿刺吸引術を施行した.病理結果はpNET G1であり,膵体尾部切除術が施行された.術後病理組織学的所見でchromogranin Aおよびsynaptophysinが陽性であったほか,serotoninが陽性であり,pNETと診断した.腫瘍は狭窄した主膵管を半周程度接して位置し...

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Veröffentlicht in:膵臓 2021/04/30, Vol.36(2), pp.169-176
Hauptverfasser: 小川, 智也, 良沢, 昭銘, 水出, 雅文, 谷坂, 優樹, 藤田, 曜, 鈴木, 雅博, 野口, 達矢, 勝田, 景統, 永田, 耕治, 川崎, 朋範, 合川, 公康, 岡本, 光順
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳男性.検診で膵体部に腫瘤性病変を指摘され,精査加療目的で当院に紹介された.腹部造影CTで膵体部に動脈相で周囲膵組織より濃染される10mm×7mm大の腫瘤性病変を認め,病変近傍の主膵管狭窄および尾側の拡張を伴っていた.膵神経内分泌腫瘍(pNET)が疑われたが,主膵管の狭窄を伴う点が非典型的であり,超音波内視鏡下穿刺吸引術を施行した.病理結果はpNET G1であり,膵体尾部切除術が施行された.術後病理組織学的所見でchromogranin Aおよびsynaptophysinが陽性であったほか,serotoninが陽性であり,pNETと診断した.腫瘍は狭窄した主膵管を半周程度接して位置しており,腫瘍内部には強い線維化を認めた.膵管狭窄についてはserotoninの関与が疑われた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.36.169