2回の膵切除手術によって長期生存した退形成性膵管癌の異時性重複発生の1例
退形成性膵管癌は非常に頻度の少ない腫瘍でその悪性度は非常に高い.われわれは,2回の膵切除手術と化学療法で長期生存した退形成性膵管癌の症例を経験した.症例は70歳男性.糖尿病の悪化を契機に膵頭部癌と診断し手術を施行した.病理組織検査は腫瘍径9mm,TS1の破骨細胞型退形成性膵管癌の診断であった.術後2年5か月の腹部造影CT検査で残膵に22mmの腫瘤と尾側膵管の拡張を認めたため,腫瘍の再発を疑い残膵全摘術を施行した.病理組織検査は,初回と異なる亜型の紡錘細胞型退形成性膵管癌であり,残膵の新規病変と判断した.退形成性膵管癌が異時性に膵内に重複発生した例は本邦初である.残膵全摘術後に再発をきたしたもの...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2020/10/30, Vol.35(5), pp.439-446 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 退形成性膵管癌は非常に頻度の少ない腫瘍でその悪性度は非常に高い.われわれは,2回の膵切除手術と化学療法で長期生存した退形成性膵管癌の症例を経験した.症例は70歳男性.糖尿病の悪化を契機に膵頭部癌と診断し手術を施行した.病理組織検査は腫瘍径9mm,TS1の破骨細胞型退形成性膵管癌の診断であった.術後2年5か月の腹部造影CT検査で残膵に22mmの腫瘤と尾側膵管の拡張を認めたため,腫瘍の再発を疑い残膵全摘術を施行した.病理組織検査は,初回と異なる亜型の紡錘細胞型退形成性膵管癌であり,残膵の新規病変と判断した.退形成性膵管癌が異時性に膵内に重複発生した例は本邦初である.残膵全摘術後に再発をきたしたものの,2回の手術を含む集学的治療で本患者は長期生存しており,積極的な手術加療が予後を改善する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.35.439 |