増大と縮小を認めた多発性膵漿液性嚢胞腺腫の1例

症例は52歳,男性.人間ドックで膵嚢胞を指摘され,2008年に当院を受診した.CTおよびMRCPで膵体部から尾部にかけて3個の多房性嚢胞性病変を認め,分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍と診断し,半年毎の経過観察を行った.膵尾部の嚢胞性病変は2011年頃から縮小や増大を認め,2016年のCTで内部に壁在結節を疑う所見を認めた.超音波内視鏡検査においても同様に嚢胞内に壁在結節様病変を認め,手術適応と判断し,腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的には,壁在結節とされた部分には小嚢胞の蜂巣状の増殖を認め,microcystic typeの膵漿液性嚢胞腺腫serous cystadenoma(SCA)と...

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Veröffentlicht in:膵臓 2018/02/25, Vol.33(1), pp.56-64
Hauptverfasser: 小林, 亮介, 森本, 喜博, 久保, 浩一郎, 小林, 昭広, 保坂, 祥介, 佐藤, 晋一郎, 梅木, 清孝, 若杉, 聡, 斎藤, 隆明, 大村, 光浩, 緒方, 賢司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は52歳,男性.人間ドックで膵嚢胞を指摘され,2008年に当院を受診した.CTおよびMRCPで膵体部から尾部にかけて3個の多房性嚢胞性病変を認め,分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍と診断し,半年毎の経過観察を行った.膵尾部の嚢胞性病変は2011年頃から縮小や増大を認め,2016年のCTで内部に壁在結節を疑う所見を認めた.超音波内視鏡検査においても同様に嚢胞内に壁在結節様病変を認め,手術適応と判断し,腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的には,壁在結節とされた部分には小嚢胞の蜂巣状の増殖を認め,microcystic typeの膵漿液性嚢胞腺腫serous cystadenoma(SCA)と診断した.SCAの多発例は稀で,また経過観察中に縮小や増大をきたし,微小嚢胞からなる充実様部分が出現した症例も稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.33.56