通常型膵管癌との鑑別が困難であった膵神経内分泌癌の一例

症例は73歳男性.膵体部腫瘤の精査目的で入院した.造影CTでは尾側膵管の拡張を伴う境界明瞭な30mmの乏血性腫瘤であった.EUSでは境界が明瞭,辺縁はやや不整で,内部エコー均一な低エコー腫瘤として描出された.膵神経内分泌癌が疑われたが,通常型膵管癌との鑑別が困難であった.同腫瘤に対してEUS-FNAを行い,小細胞型神経内分泌癌と診断した.MRIで肝内に多発する結節を認めたため,多発肝転移を伴う膵神経内分泌癌と診断し,Irinotecan+Cisplatinのレジメンで化学療法を行った.原疾患の進行のため,化学療法開始より6ヶ月後に永眠された....

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Veröffentlicht in:膵臓 2017/10/25, Vol.32(5), pp.829-835
Hauptverfasser: 酒井, 新, 竹中, 完, 池田, 篤紀, 小林, 隆, 塩見, 英之, 増田, 充弘, 有坂, 好史, 岡部, 純弘, 原, 重雄, 全, 陽, 東, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:症例は73歳男性.膵体部腫瘤の精査目的で入院した.造影CTでは尾側膵管の拡張を伴う境界明瞭な30mmの乏血性腫瘤であった.EUSでは境界が明瞭,辺縁はやや不整で,内部エコー均一な低エコー腫瘤として描出された.膵神経内分泌癌が疑われたが,通常型膵管癌との鑑別が困難であった.同腫瘤に対してEUS-FNAを行い,小細胞型神経内分泌癌と診断した.MRIで肝内に多発する結節を認めたため,多発肝転移を伴う膵神経内分泌癌と診断し,Irinotecan+Cisplatinのレジメンで化学療法を行った.原疾患の進行のため,化学療法開始より6ヶ月後に永眠された.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.32.829