術後化学療法施行後に内分泌腫瘍成分が肝転移再発したMixed adeno-neuroendocrine carcinoma (MANEC) の一例

「要旨」:症例は40歳代, 男性. 黄疸を主訴に当科紹介受診. 腹部造影CTで膵頭部に造影効果の乏しい36mm大の腫瘤を認めた. ERCPでは膵頭部膵管, 胆管に狭窄を認めた. 以上より浸潤性膵管癌と診断し, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理組織学検査ではductal cell carcinomaとneuroendocrine tumorが混在するMixed adeno-neuroendocrine carcinoma (MANEC)と診断した. 術後化学療法として塩酸ゲムシタビン + S-1療法を行った. 術後1年9か月後に多発肝転移を認め, 術後2年6か月後に生検を施行した. 肝組織の...

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Veröffentlicht in:膵臓 2017-08, Vol.32 (4), p.752-759
Hauptverfasser: 原田拓光, 村上義昭, 上村健一郎, 近藤成, 中川直哉, 浦部和秀, 城間紀之, 有廣光司, 末田泰二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:症例は40歳代, 男性. 黄疸を主訴に当科紹介受診. 腹部造影CTで膵頭部に造影効果の乏しい36mm大の腫瘤を認めた. ERCPでは膵頭部膵管, 胆管に狭窄を認めた. 以上より浸潤性膵管癌と診断し, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理組織学検査ではductal cell carcinomaとneuroendocrine tumorが混在するMixed adeno-neuroendocrine carcinoma (MANEC)と診断した. 術後化学療法として塩酸ゲムシタビン + S-1療法を行った. 術後1年9か月後に多発肝転移を認め, 術後2年6か月後に生検を施行した. 肝組織の病理組織学検査では, 外分泌腫瘍成分を認めず, 内分泌腫瘍成分のみを認めた. 術後2年10か月後に分子標的薬投与を開始し術後7年3か月現在加療中である. 膵MANECは稀な疾患であり, 予後や治療法についても確立していない. 今回, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:0913-0071