腹腔鏡下膵体尾部切除を施行したグルカゴン産生成分を伴う膵インスリノーマの1例

症例は24歳男性.繰り返す意識消失発作で救急搬送され,著明な低血糖を認めた.CTおよびMRIにて膵尾部に11cm大の内部不均一で充実性成分を伴う巨大な腫瘤を認めた.精査の結果,インスリノーマと診断し,腹腔鏡下膵体尾部切除を施行した.病理組織学的には腫瘍の広範囲でインスリン産生性を示し,一部でグルカゴン産生を示す領域が確認され,グルカゴン産生成分を伴う膵インスリノーマと診断した.術後3年2か月経過した現在,無再発生存中である.本例のようにインスリノーマにグルカゴン産生成分を伴い,かつ腫瘍径が11cm大の症例は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する....

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Veröffentlicht in:膵臓 2016/04/25, Vol.31(2), pp.145-149
Hauptverfasser: 森, 治樹, 金岡, 祐次, 前田, 敦行, 高山, 祐一, 深見, 保之, 尾上, 俊介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は24歳男性.繰り返す意識消失発作で救急搬送され,著明な低血糖を認めた.CTおよびMRIにて膵尾部に11cm大の内部不均一で充実性成分を伴う巨大な腫瘤を認めた.精査の結果,インスリノーマと診断し,腹腔鏡下膵体尾部切除を施行した.病理組織学的には腫瘍の広範囲でインスリン産生性を示し,一部でグルカゴン産生を示す領域が確認され,グルカゴン産生成分を伴う膵インスリノーマと診断した.術後3年2か月経過した現在,無再発生存中である.本例のようにインスリノーマにグルカゴン産生成分を伴い,かつ腫瘍径が11cm大の症例は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.31.145