Invasive micropapillary carcinoma (IMPC) の成分を有した膵癌の1例
「要旨」:症例は50歳代男性. 肝障害を認め当科へ精査依頼となる. 画像診断にて, 膵頭部に腫瘤性病変と膵管分枝の拡張と思われる, 多発性嚢胞性病変を認めた. 主膵管は拡張し, その内部に多発する結節性病変を認めた. 肝に多発性腫瘍を認め, 膵癌の多発肝転移を疑った. 上部消化管内視鏡検査にて, 十二指腸乳頭の開大を認めた. 十二指腸乳頭部口側に腫瘍浸潤を認め, 同部位からの生検にてinvasive micropapillary carcinoma(IMPC)の成分が認められた. IMPCは, 乳腺をはじめ, いくつかの臓器にみられ, 転移の頻度が高い予後不良な組織型である. 膵癌での報告は少...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2015-10, Vol.30 (5), p.704-711 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」:症例は50歳代男性. 肝障害を認め当科へ精査依頼となる. 画像診断にて, 膵頭部に腫瘤性病変と膵管分枝の拡張と思われる, 多発性嚢胞性病変を認めた. 主膵管は拡張し, その内部に多発する結節性病変を認めた. 肝に多発性腫瘍を認め, 膵癌の多発肝転移を疑った. 上部消化管内視鏡検査にて, 十二指腸乳頭の開大を認めた. 十二指腸乳頭部口側に腫瘍浸潤を認め, 同部位からの生検にてinvasive micropapillary carcinoma(IMPC)の成分が認められた. IMPCは, 乳腺をはじめ, いくつかの臓器にみられ, 転移の頻度が高い予後不良な組織型である. 膵癌での報告は少ないため報告する. 「はじめに」浸潤性微小乳頭癌(Invasive micropapillary carcinoma, 以下IMPC)は, 1993年Siriaunkgulらにより, 浸潤性乳管癌の亜型として報告された. 組織学的には, リンパ管様空隙内に微小乳頭状癌胞巣が浮遊し, 線維血管性間質を伴わないことを特徴とする腺癌の組織亜型と考えられている. |
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ISSN: | 0913-0071 |