門脈瘻を伴う感染性膵仮性嚢胞を形成した膵癌の1例
症例は69歳,女性.近医より膵頭部腫瘤性病変と門脈内結節性病変を指摘され,精査加療目的に当科紹介となった.入院後,血液培養検査でEscherichia coliが検出され,敗血症と診断した.腹部造影CT検査で膵頭部腹側に辺縁不整,門脈相で不均一な造影増強効果を示す16×14mm大の類円形腫瘤性病変を認め,同病変の尾側に造影増強効果を伴わない不整形の門脈内結節とそれに接して交通を有する嚢胞性病変がみられた.膵頭部腫瘤に対して超音波内視鏡穿刺吸引生検を施行し,病理組織学的に腺癌と診断した.膵頭部癌,感染性膵嚢胞性病変,門脈血栓症疑いの術前診断で,当院消化器外科IIにて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術,...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2015/10/25, Vol.30(5), pp.679-688 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は69歳,女性.近医より膵頭部腫瘤性病変と門脈内結節性病変を指摘され,精査加療目的に当科紹介となった.入院後,血液培養検査でEscherichia coliが検出され,敗血症と診断した.腹部造影CT検査で膵頭部腹側に辺縁不整,門脈相で不均一な造影増強効果を示す16×14mm大の類円形腫瘤性病変を認め,同病変の尾側に造影増強効果を伴わない不整形の門脈内結節とそれに接して交通を有する嚢胞性病変がみられた.膵頭部腫瘤に対して超音波内視鏡穿刺吸引生検を施行し,病理組織学的に腺癌と診断した.膵頭部癌,感染性膵嚢胞性病変,門脈血栓症疑いの術前診断で,当院消化器外科IIにて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術,門脈環状合併切除再検術を施行した.病理組織学的検査では腫瘍随伴性膵炎により生じた膵仮性嚢胞への感染による門脈瘻と診断した.膵癌と門脈瘻を伴う感染性膵仮性嚢胞の合併例の報告はこれまでになく,極めて稀である.若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.30.679 |