膵漿液性嚢胞腫瘍 (Serous cystic neoplasm) に対する手術適応 - 自験例12切除例の検討

要旨:膵漿液性嚢胞腫瘍は通常は良性腫瘍であり経過観察の方針となるが, 有症状例や巨大な腫瘍の場合は切除の対象となる. 今回, 当科で経験した膵漿液性嚢胞腫瘍12切除例の臨床病理学的特徴を解析し手術適応について検討した. 平均年齢は63歳で性別は女性9例であった. 有症状例を3例に認め, 腫瘍の局在は頭部5例, 体部3例, 尾部4例であった. 平均腫瘍径は6.9cmで, 増大傾向を6例に認めた. 主膵管の狭窄, 拡張を6例に認め, その中で最小腫瘍径は4.0cmであった. 病理組織診断はMicrocystic type10例, Macrocystic type2例であった. 肝転移, 横行結腸浸...

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Veröffentlicht in:膵臓 2015-08, Vol.30 (4), p.585-591
Hauptverfasser: 佐々木勇人, 村上義昭, 上村健一郎, 橋本泰司, 近藤成, 中川直哉, 迫田拓弥, 浦部和秀, 佐々木民人, 大毛宏喜, 末田泰二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:膵漿液性嚢胞腫瘍は通常は良性腫瘍であり経過観察の方針となるが, 有症状例や巨大な腫瘍の場合は切除の対象となる. 今回, 当科で経験した膵漿液性嚢胞腫瘍12切除例の臨床病理学的特徴を解析し手術適応について検討した. 平均年齢は63歳で性別は女性9例であった. 有症状例を3例に認め, 腫瘍の局在は頭部5例, 体部3例, 尾部4例であった. 平均腫瘍径は6.9cmで, 増大傾向を6例に認めた. 主膵管の狭窄, 拡張を6例に認め, その中で最小腫瘍径は4.0cmであった. 病理組織診断はMicrocystic type10例, Macrocystic type2例であった. 肝転移, 横行結腸浸潤を伴う膵漿液性嚢胞腺癌を1例認めた. 今回の検討から膵漿液性嚢胞腫瘍の手術適応を有症状または主膵管の狭窄, 拡張を認める症例とするならば, 腫瘍径4cm以上で手術適応とするのが妥当と考えられた.
ISSN:0913-0071