膵石症に対するESWLを併用した内視鏡治療

主膵管または副膵管内に膵石が存在し,疼痛を訴える症例は治療の良い適応である.結石径が5mm以上の場合は,まずはESWLによる破砕を先行する.ESWLは低侵襲性かつ安全性の高い治療法であり,良好な結石破砕効果と疼痛改善率が得られる.破砕片の嵌頓による急性膵炎や急性胆管炎を予防するために,内視鏡的膵管口切開術を前処置として施行している.しかし多発結石や大結石例では,ESWL単独での結石消失効果は高くなく,内視鏡治療などの補助療法が必要である.ESWLで膵石を3mm以下に破砕することで,バスケット鉗子や拡張用バルーンカテーテルを用いた膵石除去が安全に施行できる.ESWLで破砕が困難な場合には,膵管鏡...

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Veröffentlicht in:膵臓 2015/04/20, Vol.30(2), pp.154-163
Hauptverfasser: 三村, 享彦, 五十嵐, 良典, 伊藤, 謙, 原, 精一, 宅間, 健介, 岸本, 有為, 岡野, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:主膵管または副膵管内に膵石が存在し,疼痛を訴える症例は治療の良い適応である.結石径が5mm以上の場合は,まずはESWLによる破砕を先行する.ESWLは低侵襲性かつ安全性の高い治療法であり,良好な結石破砕効果と疼痛改善率が得られる.破砕片の嵌頓による急性膵炎や急性胆管炎を予防するために,内視鏡的膵管口切開術を前処置として施行している.しかし多発結石や大結石例では,ESWL単独での結石消失効果は高くなく,内視鏡治療などの補助療法が必要である.ESWLで膵石を3mm以下に破砕することで,バスケット鉗子や拡張用バルーンカテーテルを用いた膵石除去が安全に施行できる.ESWLで破砕が困難な場合には,膵管鏡下のEHLを行う.十二指腸側に主膵管狭窄を伴う場合には,各種の拡張用カテーテルやバルーンカテーテルを用いて拡張を行い,膵管ステントを留置する.これらの手技を適宜組み合わせることで,安全に治療が可能と考えられる.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.30.154