膵粘液癌の2切除例

症例1は70歳,男性.膵嚢胞性病変を疑われ紹介された.CTで膵頭部に17mm大の充実性腫瘤を,膵体尾部に多房性嚢胞状病変を認めた.膵管内乳頭粘液性腺癌を疑い,膵全摘術を施行した.病理診断は粘液癌が主体で,膵頭部には通常の管状腺癌を認めた.膵粘液癌(muc>tub)T4N0M0 fStage IVaであった.術後補助化学療法(S-1)を行い,術後28カ月無再発生存中である.進展機序としてはIPMC内の粘液の過剰産生が示唆された. 症例2は63歳,女性.急性膵炎を契機に膵嚢胞性病変を指摘された.CTで膵体尾部に石灰化を伴う嚢胞性病変を認めた.膵粘液癌もしくは膵管内乳頭粘液性腫瘍を疑い,膵体尾...

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Veröffentlicht in:膵臓 2014, Vol.29(1), pp.98-104
Hauptverfasser: 西, 正暁, 河崎, 秀樹, 藤井, 正彦, 大畠, 雅義, 長橋, 美弥, 山本, 幸司, 原田, 雅光
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は70歳,男性.膵嚢胞性病変を疑われ紹介された.CTで膵頭部に17mm大の充実性腫瘤を,膵体尾部に多房性嚢胞状病変を認めた.膵管内乳頭粘液性腺癌を疑い,膵全摘術を施行した.病理診断は粘液癌が主体で,膵頭部には通常の管状腺癌を認めた.膵粘液癌(muc>tub)T4N0M0 fStage IVaであった.術後補助化学療法(S-1)を行い,術後28カ月無再発生存中である.進展機序としてはIPMC内の粘液の過剰産生が示唆された. 症例2は63歳,女性.急性膵炎を契機に膵嚢胞性病変を指摘された.CTで膵体尾部に石灰化を伴う嚢胞性病変を認めた.膵粘液癌もしくは膵管内乳頭粘液性腫瘍を疑い,膵体尾部切除を施行した.病理診断は膵粘液癌T2N0M0 fStage IIであった.術後補助化学療法(GEM)を行い,術後19カ月無再発生存中である.進展機序としては管状腺癌の粘液変性が示唆された.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.98