急激な転帰をたどった扁平上皮癌成分を伴う多形細胞型退形成性膵管癌の1切除例
退形成性膵管癌は膵癌の中では比較的まれで,予後不良な疾患である.多形細胞型退形成性膵管癌の1切除例を経験したので報告する.症例は77歳女性.自覚症状はなく,軽度の貧血を指摘され精査となった.CTで膵体部に3cm大の後期相で弱く造影される腫瘤と,その尾側に6cm超の嚢胞性腫瘤を認めた.嚢胞内出血を伴う膵体部癌の術前診断で手術となった.開腹所見では腫瘍が胃後壁,結腸間膜に浸潤し,膵体尾部切除,脾摘,胃全摘,横行結腸部分切除,左副腎摘出にて腫瘍を切除した.切除標本は7.5×7cm,境界不明瞭な腫瘤部分と,被膜に覆われた出血壊死部分から成り,病理組織所見で多形細胞型退形成性膵管癌と診断され,一部扁平上...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2013, Vol.28(4), pp.594-598 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 退形成性膵管癌は膵癌の中では比較的まれで,予後不良な疾患である.多形細胞型退形成性膵管癌の1切除例を経験したので報告する.症例は77歳女性.自覚症状はなく,軽度の貧血を指摘され精査となった.CTで膵体部に3cm大の後期相で弱く造影される腫瘤と,その尾側に6cm超の嚢胞性腫瘤を認めた.嚢胞内出血を伴う膵体部癌の術前診断で手術となった.開腹所見では腫瘍が胃後壁,結腸間膜に浸潤し,膵体尾部切除,脾摘,胃全摘,横行結腸部分切除,左副腎摘出にて腫瘍を切除した.切除標本は7.5×7cm,境界不明瞭な腫瘤部分と,被膜に覆われた出血壊死部分から成り,病理組織所見で多形細胞型退形成性膵管癌と診断され,一部扁平上皮癌成分を認めた.一旦退院したが,癌性腹膜炎で術後72日目に死亡された.退形成性膵管癌は切除後早期に再発死亡する症例が多く,切除後の集学的な治療のStrategyが今後必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.28.594 |