異なる手術術式を選択した膵管胆管瘻を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍の2例
膵管胆管瘻を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の2例に対し,異なる術式を選択し,異なる術後経過を認めたので報告する.症例1は80歳代の女性.発熱,眼球結膜黄染を主訴に入院となった.胆管炎に伴う頻脈発作と心不全を入院経過中に認めた.根治術は不能と判断し,手術は胆管空腸吻合術を選択した.術後4か月で膵管胃瘻を発症し術後8か月で死亡された.病理解剖所見では中等度異型の膵管内乳頭粘液性腺腫と診断され,膵と胃に瘻孔形成を認めた.症例2は70歳代の女性.黄疸を主訴に入院となった.根治術可能と判断し膵全摘術を施行した.病理組織結果では非浸潤型の膵管内乳頭粘液性腺癌と診断された.術後9か月経過した現在,再発...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 膵臓 2013, Vol.28(2), pp.197-203 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 膵管胆管瘻を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の2例に対し,異なる術式を選択し,異なる術後経過を認めたので報告する.症例1は80歳代の女性.発熱,眼球結膜黄染を主訴に入院となった.胆管炎に伴う頻脈発作と心不全を入院経過中に認めた.根治術は不能と判断し,手術は胆管空腸吻合術を選択した.術後4か月で膵管胃瘻を発症し術後8か月で死亡された.病理解剖所見では中等度異型の膵管内乳頭粘液性腺腫と診断され,膵と胃に瘻孔形成を認めた.症例2は70歳代の女性.黄疸を主訴に入院となった.根治術可能と判断し膵全摘術を施行した.病理組織結果では非浸潤型の膵管内乳頭粘液性腺癌と診断された.術後9か月経過した現在,再発なく外来通院中である.膵管胆管瘻を伴うIPMNは黄疸が遷延するため,不必要に胆道ドレナージに固執することなく,早期手術を考慮し適した手術療法を選択するべきと考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.28.197 |