急性膵炎における初期診療のコンセンサス改訂第3版 厚生労働省難治性疾患克服研究事業「難治性膵疾患に関する調査研究班」編

「はじめに」 急性膵炎は50歳代をピークとして30歳代から70歳代に突然発症する消化器疾患であり, 治療法が改善されたとはいえ, 未だに致命率が全体で2.9%, 重症例では8.9%と高い. 家庭や社会で中心となる年代に発症する重篤な病気であり, 予後改善が求められる重要な疾患である. 急性膵炎の予後は, 多くの場合, 発症後48時間以内の病態によって決定される. 初期診療の重要性が強調される所以であり, 初期診療の善し悪しが患者の生命予後を決定するといっても過言ではない. わが国では, 日本腹部救急医学会, 日本膵臓学会, 厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班などを中心として, 急性膵炎診...

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Veröffentlicht in:膵臓 2011, Vol.26 (6), p.651-683
Hauptverfasser: 下瀬川徹, 伊藤鉄英, 明石隆吉, 五十嵐久人, 伊佐地秀司, 乾和郎, 岡崎和一, 片岡慶正, 神澤輝実, 川茂幸, 北川元二, 木原康之, 清水京子, 白鳥敬子, 武田和憲, 竹山宜典, 成瀬達, 西森功, 廣田昌彦, 廣田衛久, 古屋智規, 正宗淳, 真弓俊彦, 峯徹哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」 急性膵炎は50歳代をピークとして30歳代から70歳代に突然発症する消化器疾患であり, 治療法が改善されたとはいえ, 未だに致命率が全体で2.9%, 重症例では8.9%と高い. 家庭や社会で中心となる年代に発症する重篤な病気であり, 予後改善が求められる重要な疾患である. 急性膵炎の予後は, 多くの場合, 発症後48時間以内の病態によって決定される. 初期診療の重要性が強調される所以であり, 初期診療の善し悪しが患者の生命予後を決定するといっても過言ではない. わが国では, 日本腹部救急医学会, 日本膵臓学会, 厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班などを中心として, 急性膵炎診療全般に関してガイドラインが作成されているが, 2008年に急性膵炎の診断基準と重症度判定基準が改訂されたのを受けて, 2009年にガイドラインの改訂第3版が出版された1). 急性膵炎は急性腹症として, 夜間, 休日を問わず, また, 消化器専門医に限らず, 多くの医師が遭遇する可能性の高い疾患である.
ISSN:0913-0071