G-CSF産生退形成性膵管癌の1剖検例

症例は72歳男性.下痢を主訴に近医を受診し,腹部腫瘍を指摘され当院へ紹介となった.腹部CTでは膵鉤部から上腸間膜動脈を巻き込む腫瘍を認めた.CA19-9やDUPAN-2などの腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.治療方針決定のため開腹下腫瘍生検を行い,退形成性膵管癌と診断した.S-1による化学療法を開始したが,閉塞性黄疸を併発した.経皮経肝的胆道ドレナージ術(PTBD)を施行し,黄疸の改善を認めたが,病状の進行は早く,初診より約4カ月の経過で死亡した.経過に従い白血球数の著増を認めた(93400/μl ).血中G-CSFの上昇(312pg/ml )を認めており,剖検にて腫瘍のG-CSF免疫染色陽性...

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Veröffentlicht in:膵臓 2010, Vol.25(5), pp.591-598
Hauptverfasser: 山極, 哲也, 池谷, 伸一, 草野, 昌男, 土佐, 正規, 島田, 憲宏, 大楽, 尚弘, 小島, 敏明, 織内, 竜生, 中山, 晴夫, 樋渡, 信夫, 青木, 豪, 浅野, 重之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は72歳男性.下痢を主訴に近医を受診し,腹部腫瘍を指摘され当院へ紹介となった.腹部CTでは膵鉤部から上腸間膜動脈を巻き込む腫瘍を認めた.CA19-9やDUPAN-2などの腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.治療方針決定のため開腹下腫瘍生検を行い,退形成性膵管癌と診断した.S-1による化学療法を開始したが,閉塞性黄疸を併発した.経皮経肝的胆道ドレナージ術(PTBD)を施行し,黄疸の改善を認めたが,病状の進行は早く,初診より約4カ月の経過で死亡した.経過に従い白血球数の著増を認めた(93400/μl ).血中G-CSFの上昇(312pg/ml )を認めており,剖検にて腫瘍のG-CSF免疫染色陽性が確認され,G-CSF産生退形成性膵管癌(多形細胞型)と診断した.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.25.591