非感染性発熱を伴いG-CSF産生腫瘍であった膵癌の1症例

症例は58歳女性.心窩部痛・発熱を主訴に近医受診.当初腫瘍随伴性膵炎として治療開始されたが症状のコントロール困難で当院紹介された.好中球数の増多を伴う膵腫瘍との診断で精査加療目的入院.血清中G-CSF高値を示し,超音波内視鏡下生検の病理診断では低分化型腺癌であり,免疫組織学的にG-CSF産生膵癌と診断した.CT上根治手術困難な状態であったため,全身化学療法を開始し,同時にステロイドの投与を行った.治療開始1ヶ月後に好中球はほぼ正常化し退院したが,その後すぐに好中球は再上昇し入院.治療開始2ヶ月後に永眠した.G-CSF産生膵癌の報告は散見されるが,病態にいまだ不明な点も多いため若干の文献的考察を...

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Veröffentlicht in:膵臓 2010, Vol.25(5), pp.585-590
Hauptverfasser: 松本, 育子, 貝沼, 修, 山本, 宏, 趙, 明浩, 郡司, 久, 宮崎, 彰成
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は58歳女性.心窩部痛・発熱を主訴に近医受診.当初腫瘍随伴性膵炎として治療開始されたが症状のコントロール困難で当院紹介された.好中球数の増多を伴う膵腫瘍との診断で精査加療目的入院.血清中G-CSF高値を示し,超音波内視鏡下生検の病理診断では低分化型腺癌であり,免疫組織学的にG-CSF産生膵癌と診断した.CT上根治手術困難な状態であったため,全身化学療法を開始し,同時にステロイドの投与を行った.治療開始1ヶ月後に好中球はほぼ正常化し退院したが,その後すぐに好中球は再上昇し入院.治療開始2ヶ月後に永眠した.G-CSF産生膵癌の報告は散見されるが,病態にいまだ不明な点も多いため若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.25.585