比較的若年に発生し診断に苦慮したIPMN分枝型由来の膵粘液癌の1例

症例は40歳男性.上腹部痛にて他院受診し,CT,MRI上,膵尾部に4cm大の嚢胞性病変を指摘され,当科紹介受診.腹部超音波,超音波内視鏡,CT,MRIにて内部に充実成分を有する嚢胞性病変を認めた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)では嚢胞性病変は膵管と交通を有していたが,十二指腸乳頭部の開口部開大や粘液流出は認めず,膵管拡張もみられなかった.膵液細胞診で悪性細胞は得られなかったが悪性の可能性が否定出来ず,膵体尾部脾合併切除術を施行した.嚢胞内部には黄白色調のゼラチン様粘液結節が認められ,粘液内に腺癌細胞が浮遊する粘液癌と診断した.比較的若年に発生し診断に苦慮した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPM...

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Veröffentlicht in:膵臓 2010, Vol.25(4), pp.503-511
Hauptverfasser: 白倉, 克也, 川口, 義明, 伊藤, 裕幸, 小川, 真実, 岡田, 健一, 松山, 正浩, 堂脇, 昌一, 飛田, 浩輔, 今泉, 俊秀, 平林, 健一, 峯, 徹哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は40歳男性.上腹部痛にて他院受診し,CT,MRI上,膵尾部に4cm大の嚢胞性病変を指摘され,当科紹介受診.腹部超音波,超音波内視鏡,CT,MRIにて内部に充実成分を有する嚢胞性病変を認めた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)では嚢胞性病変は膵管と交通を有していたが,十二指腸乳頭部の開口部開大や粘液流出は認めず,膵管拡張もみられなかった.膵液細胞診で悪性細胞は得られなかったが悪性の可能性が否定出来ず,膵体尾部脾合併切除術を施行した.嚢胞内部には黄白色調のゼラチン様粘液結節が認められ,粘液内に腺癌細胞が浮遊する粘液癌と診断した.比較的若年に発生し診断に苦慮した膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)分枝型に由来した膵粘液癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.25.503