膵癌症例における末梢血中のREG4値は術前化学放射線療法の効果予測のためのバイオマーカーである
「背景と目的」切除後成績が極めて不良な通常型膵癌では, 術前・術後の補助療法が重要な治療戦略となってきている. 術前放射線化学療法(以下CRT)は組織酸素分圧が高い術前に加療するために高い有効性を期待でき, 術前のdown stagingを期待できる有益な治療法であるが1), 術前治療期間を要する上に治療が無効な症例もあるために, 手術の機会を逸する危険性を伴う. このためCRTの効果予測は重要な課題である. 膵癌では切除前の組織採取が困難なため, 効果予測に末梢血が使えれば臨床上極めて有益であるが, そのような方法は確立していない. REG4(Regenerating islet-deriv...
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Veröffentlicht in: | 膵臓 2010, Vol.25(1), pp.89-91 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「背景と目的」切除後成績が極めて不良な通常型膵癌では, 術前・術後の補助療法が重要な治療戦略となってきている. 術前放射線化学療法(以下CRT)は組織酸素分圧が高い術前に加療するために高い有効性を期待でき, 術前のdown stagingを期待できる有益な治療法であるが1), 術前治療期間を要する上に治療が無効な症例もあるために, 手術の機会を逸する危険性を伴う. このためCRTの効果予測は重要な課題である. 膵癌では切除前の組織採取が困難なため, 効果予測に末梢血が使えれば臨床上極めて有益であるが, そのような方法は確立していない. REG4(Regenerating islet-derived family, member 4)はreg遺伝子ファミリーの新規メンバーで, 各種癌組織で発現しており, 癌細胞のアポトーシス回避機構や抗癌剤耐性への関与が示唆されている2~4). REG4は分泌蛋白であるため末梢血でその濃度測定が可能で, CRTの効果予測に有用である可能性がある. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.25.89 |