経胃的超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージを施行した化学療法施行·切除不能膵癌の1例

患者は78歳の男性.黄疸を主訴に当科へ紹介となった.腹部超音波検査では,膵頭部に辺縁不整な低エコー腫瘤が指摘された.肝外,肝内胆管拡張,および肝内に多数の低エコー腫瘤を認めた.胆道ドレナージを目的にERCPを試みたが,癌浸潤に伴う十二指腸狭窄にて不成功で,胃内から肝外胆管を標的胆管として,超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(ESBD:Endosonography-guided biliary drainage)を施行した.肝転移により手術適応無く,減黄後gemcitabine化学療法を導入した.その後,十二指腸狭窄が増悪し食事摂取が困難となったために,内視鏡下に十二指腸ステント留置を行った.内...

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Veröffentlicht in:膵臓 2008, Vol.23(6), pp.726-733
Hauptverfasser: 高澤, 磨, 藤田, 直孝, 野田, 裕, 小林, 剛, 伊藤, 啓, 洞口, 淳, 尾花, 貴志, 中原, 一有
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者は78歳の男性.黄疸を主訴に当科へ紹介となった.腹部超音波検査では,膵頭部に辺縁不整な低エコー腫瘤が指摘された.肝外,肝内胆管拡張,および肝内に多数の低エコー腫瘤を認めた.胆道ドレナージを目的にERCPを試みたが,癌浸潤に伴う十二指腸狭窄にて不成功で,胃内から肝外胆管を標的胆管として,超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(ESBD:Endosonography-guided biliary drainage)を施行した.肝転移により手術適応無く,減黄後gemcitabine化学療法を導入した.その後,十二指腸狭窄が増悪し食事摂取が困難となったために,内視鏡下に十二指腸ステント留置を行った.内視鏡治療により良好なQOLが得られたが,初診から約6ヶ月後に原病死となった.化学療法の進歩した現在,全身状態の改善をめざした悪性胆道·消化管狭窄に対する内視鏡的interventionは,積極的に試みるべきと考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.23.726