最近5年間におけるIPMN症例の解析-手術術式決定における主膵管径の重要性

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に縮小手術が選択されるようになってきたが,その適応はまだ確立されていない.今回我々は,2003年4月から2007年12月までにIPMNにて切除した26例(分枝型21例,主膵管型5例)を主膵管径·嚢胞径·壁在結節の高さ·腫瘍マーカー(CEA·CA19-9)の術前所見より縮小手術の適応についてretrospectiveに解析し検討した.その結果,主膵管型IPMNは全て悪性例であり,分枝型IPMNの術前診断における因子としては悪性群で主膵管径の大きい傾向を認め,壁在結節は有意に高かった.また,主膵管径7mm未満には浸潤癌はなかった.このことから,主膵管の拡張しているも...

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Veröffentlicht in:膵臓 2008, Vol.23(4), pp.481-485
Hauptverfasser: 里井, 俊平, 竹山, 宜典, 中居, 卓也, 土師, 誠二, 保田, 知生, 石川, 原, 安田, 武生, 新崎, 亘, 亀井, 敬子, 大柳, 冶正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に縮小手術が選択されるようになってきたが,その適応はまだ確立されていない.今回我々は,2003年4月から2007年12月までにIPMNにて切除した26例(分枝型21例,主膵管型5例)を主膵管径·嚢胞径·壁在結節の高さ·腫瘍マーカー(CEA·CA19-9)の術前所見より縮小手術の適応についてretrospectiveに解析し検討した.その結果,主膵管型IPMNは全て悪性例であり,分枝型IPMNの術前診断における因子としては悪性群で主膵管径の大きい傾向を認め,壁在結節は有意に高かった.また,主膵管径7mm未満には浸潤癌はなかった.このことから,主膵管の拡張しているものは浸潤癌の可能性が高いと考えられ,分枝型でも主膵管拡張を示すものは浸潤癌を合併している可能性があり,主膵管径が7mm以上のものは縮小手術を選択すべきでないと考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.23.481