腎細胞癌術後8年目に膵転移をきたした1例―dynamic CTの有用性を中心に

症例は75歳,男性.8年前に腎細胞癌で右腎摘出術を受けている.スクリーニングの腹部超音波検査で膵に腫瘤を認め,dynamic CT,血管造影などで同部に血流の豊富な腫瘍を確認した.腎細胞癌の膵転移を疑い,膵頭十二指腸切除術を施行し,病理学的に腎細胞癌の膵転移と確定診断した.本例では2ヶ月前に造影conventional CTが行われていたが,造影前後でいずれも腫瘤が等吸収で,かつ,腫瘍が膵内にとどまる大きさであったため,発見できなかった.腎細胞癌手術後の膵転移の早期発見のためには,超音波検査に加えて,dynamic CTによる経過観察が必要と思われた....

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Veröffentlicht in:膵臓 2007, Vol.22(6), pp.710-716
Hauptverfasser: 浜本, 哲郎, 高野, 友爾, 井上, 雅之, 野口, 美智子, 大村, 宏, 堀, 立明, 鶴原, 一郎, 蘆田, 啓吾, 角, 賢一, 村田, 陽子, 柳, 宏司, 中村, 希代志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は75歳,男性.8年前に腎細胞癌で右腎摘出術を受けている.スクリーニングの腹部超音波検査で膵に腫瘤を認め,dynamic CT,血管造影などで同部に血流の豊富な腫瘍を確認した.腎細胞癌の膵転移を疑い,膵頭十二指腸切除術を施行し,病理学的に腎細胞癌の膵転移と確定診断した.本例では2ヶ月前に造影conventional CTが行われていたが,造影前後でいずれも腫瘤が等吸収で,かつ,腫瘍が膵内にとどまる大きさであったため,発見できなかった.腎細胞癌手術後の膵転移の早期発見のためには,超音波検査に加えて,dynamic CTによる経過観察が必要と思われた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.22.710