膵管内乳頭粘液性腫瘍の組織亜型分類と膵液細胞診

背景と目的 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMNs)は膵管内で発育する良性~悪性の粘液産生性腫瘍である.近年,IPMNsには悪性度とも関連したいくつかの組織亜型があることが知られるようになった1~5).腸上皮に類似したlntestinal typeの多くは浸潤癌に進行すると粘液癌の像を示し比較的予後が良いのに対し,胆膵上皮に類似したPancreatobiliary typeや特徴的な好酸性胞体を有するOncocytic typeは管状腺癌の像を示すことが多く予後が悪い.胃腺窩上皮に類似したGastric foveolar typeは膵管分枝に発生することが多く良性病変が多い,などの組織亜型である.我...

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Veröffentlicht in:膵臓 2007, Vol.22(4), pp.519-520
Hauptverfasser: 日比, 康太, 福嶋, 敬宜, 土田, 明彦, 祖父尼, 淳, 糸井, 隆夫, 森安, 史典, 向井, 清, 青木, 達哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:背景と目的 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMNs)は膵管内で発育する良性~悪性の粘液産生性腫瘍である.近年,IPMNsには悪性度とも関連したいくつかの組織亜型があることが知られるようになった1~5).腸上皮に類似したlntestinal typeの多くは浸潤癌に進行すると粘液癌の像を示し比較的予後が良いのに対し,胆膵上皮に類似したPancreatobiliary typeや特徴的な好酸性胞体を有するOncocytic typeは管状腺癌の像を示すことが多く予後が悪い.胃腺窩上皮に類似したGastric foveolar typeは膵管分枝に発生することが多く良性病変が多い,などの組織亜型である.我々は術前に得られる膵液細胞診標本において,IPMNsの組織異型度とともに組織亜型を推測・決定することが可能であるかの検討を行った. 方法 1989年1月から2004年5月までに東京医科大学病院でIPMNsの診断で膵切除が行われた28例中,術前に膵液細胞診検査が施行されていた19例(平均年齢66歳,男性15例,女性4例)を検討対象とした.IPMNsの組織亜型は過去の文献等3~5)を参考に,Intestinal(Int)type,Gastric foveolae(GF)type,Oncocytic(Onc)typeおよびPancreatobiliary(PB)typeの4型に分類した.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.22.519