ラットアルギニン誘発急性膵炎におけるネスチン発現細胞の検討

背景と目的 ネスチンは1990年に神経系の幹細胞のマーカーとして報告された中間径フィラメントで, その後, 筋肉, 精巣, 歯などの前駆細胞にも発現することが明らかとなった1). ネスチンは中枢神経骨格筋, 肝臓などの傷害修復の時期においても発現の増加が認められている. 膵臓においては, ネスチン陽性細胞が膵島内や膵管周囲に確認され2), これらのネスチン陽性細胞を選択し, in vitroで培養したところ内分泌細胞と外分泌細胞に分化したこと3), などからネスチンが膵臓組織の幹細胞のマーカーとして注目されている. ネスチンは胎生期や腫瘍周囲で増殖する血管内皮細胞にも発現がみられている. 膵臓...

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Veröffentlicht in:膵臓 2006, Vol.21(6), pp.539-541
Hauptverfasser: 石渡, 俊行, 工藤, 光洋, 恩田, 宗彦, 藤井, 雄文, 手塚, 潔, 鈴木, 妙子, Korc, Murray, 内藤, 善哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景と目的 ネスチンは1990年に神経系の幹細胞のマーカーとして報告された中間径フィラメントで, その後, 筋肉, 精巣, 歯などの前駆細胞にも発現することが明らかとなった1). ネスチンは中枢神経骨格筋, 肝臓などの傷害修復の時期においても発現の増加が認められている. 膵臓においては, ネスチン陽性細胞が膵島内や膵管周囲に確認され2), これらのネスチン陽性細胞を選択し, in vitroで培養したところ内分泌細胞と外分泌細胞に分化したこと3), などからネスチンが膵臓組織の幹細胞のマーカーとして注目されている. ネスチンは胎生期や腫瘍周囲で増殖する血管内皮細胞にも発現がみられている. 膵臓では現在までに, ネスチンが少数の膵島細胞, 膵星細胞, 血管の周皮細胞と内皮細胞に存在していることが報告されている. 今回, 高度の腺房細胞傷害と壊死性膵炎を惹起した後, 血管新生を伴った急速な腺房細胞の再生を特徴とする, アルギニンのラット腹腔内投与モデル(ラットアルギニン誘発急性膵炎モデル)を用いて4, 5), 膵再生過程における幹細胞の局在と, 幹細胞の膵再生への関与につき検討した.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.21.539