歯根側面に認められるエックス線透過像

一般にデンタルエックス線画像で歯槽骨に透過像が認められる場合, 歯槽骨頂付近であれば歯周炎, 根尖付近であれば根尖性歯周炎により生じたと考えることが多い. 頻度は低いものの, 歯根側面に透過像が認められる場合は原因の特定に頭を悩ませることが多い. そこで, 本稿では経験した症例を提示しながらその原因を考察した. 「症例1(根管側枝)」 53歳女性. 噛むと左下の歯が響くとの主訴で来院した. 数週間前から食事中に下顎左側第一小臼歯に違和感を感じていたが, 最近になって噛むと響くようになった. 打診により同歯に違和感を訴え, 電気歯髄診断および温度診では反応が認められなかった. 歯周ポケットはすべ...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2023/06/30, Vol.65(2), pp.35-40
Hauptverfasser: 中島, 啓介, 臼井, 通彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般にデンタルエックス線画像で歯槽骨に透過像が認められる場合, 歯槽骨頂付近であれば歯周炎, 根尖付近であれば根尖性歯周炎により生じたと考えることが多い. 頻度は低いものの, 歯根側面に透過像が認められる場合は原因の特定に頭を悩ませることが多い. そこで, 本稿では経験した症例を提示しながらその原因を考察した. 「症例1(根管側枝)」 53歳女性. 噛むと左下の歯が響くとの主訴で来院した. 数週間前から食事中に下顎左側第一小臼歯に違和感を感じていたが, 最近になって噛むと響くようになった. 打診により同歯に違和感を訴え, 電気歯髄診断および温度診では反応が認められなかった. 歯周ポケットはすべて3mm以下で歯の動揺度は0度であったが, 頬側遠心部の歯肉に圧痛が認められた. デンタルエックス線画像では, 第一小臼歯の歯根遠心から第二小臼歯の歯根近心にかけてびまん性の透過像が認められた. 本症例では, 第一小臼歯の歯髄が何らかの原因で失活し根尖性歯周炎が生じていると推測された.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.65.35