歯周病病態における咬合性外傷の再考

歯周病病態の考え方にはこれまでに数回のパラダイムシフトがあり, 現在は多因子性で慢性の炎症性疾患と定義されている. 我々は常に「歯周病」という「結果」から「原因」を推測するが, 時間軸が長いと「因果関係」と「前後関係」を見分けることは難しく科学的に証明することは困難である. そのため, 臨床推論を行う際には常に不確実性が残る. また, 蓋然性の高い推論であっても疫学的評価を工夫して科学的に証明しなければ現在のevidence based medicine(EBM)の知識基盤になり得ない. 2017年の歯周疾患とインプラント周囲疾患のWorld Workshop Proceedingsには「咬合...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2020/06/30, Vol.62(2), pp.47-57
Hauptverfasser: 高橋, 慶壮, 山﨑, 厚作, 山﨑, 幹子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:歯周病病態の考え方にはこれまでに数回のパラダイムシフトがあり, 現在は多因子性で慢性の炎症性疾患と定義されている. 我々は常に「歯周病」という「結果」から「原因」を推測するが, 時間軸が長いと「因果関係」と「前後関係」を見分けることは難しく科学的に証明することは困難である. そのため, 臨床推論を行う際には常に不確実性が残る. また, 蓋然性の高い推論であっても疫学的評価を工夫して科学的に証明しなければ現在のevidence based medicine(EBM)の知識基盤になり得ない. 2017年の歯周疾患とインプラント周囲疾患のWorld Workshop Proceedingsには「咬合性外傷はプラーク誘導性の歯周病あるいはアタッチメントロスを引き起こさない.」というコンセンサスが報告されたが, これまでの研究論文を読む限り, 十分なエビデンスが得られているとは言い難い.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.62.47