歯周病の罹患状態を反映するアンケート調査法の検討

歯周病は罹患率の高い感染症であるが,歯周病を有していながら患者にその自覚がなく,治療を適切に行えていないケースも多くあるものと考えられる。初期の歯周病の段階から病態を把握できれば,その後の治療と予防において非常に有用である。以上のことから,本研究の目的は,歯周病の状態を把握するためのアンケートでの適切な聴取方法を検討することである。本研究の被験者として,2012年から2015年に東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科病棟に入院した循環器疾患患者990名を対象とした。患者に対し,自己申告のアンケートにより,歯周組織の状態を評価させた。さらに,口腔内検査として,プロービングポケット深さ(PPD)...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2018/12/28, Vol.60(4), pp.183-191
Hauptverfasser: 杉原, 俊太郎, 青山, 典生, 和泉, 雄一, 三辺, 正人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周病は罹患率の高い感染症であるが,歯周病を有していながら患者にその自覚がなく,治療を適切に行えていないケースも多くあるものと考えられる。初期の歯周病の段階から病態を把握できれば,その後の治療と予防において非常に有用である。以上のことから,本研究の目的は,歯周病の状態を把握するためのアンケートでの適切な聴取方法を検討することである。本研究の被験者として,2012年から2015年に東京医科歯科大学医学部附属病院循環器内科病棟に入院した循環器疾患患者990名を対象とした。患者に対し,自己申告のアンケートにより,歯周組織の状態を評価させた。さらに,口腔内検査として,プロービングポケット深さ(PPD),クリニカルアタッチメントレベル(CAL),プロービング時の出血の有無(BOP)を測定した。結果として,「あなたは歯肉の病気があると思いますか?」,「歯がぐらぐらしていると感じたことはありますか?」,「歯科医療者に歯の周りの骨が減っていると言われたことがありますか?」という設問に対し,「いいえ」と答えた患者群と比較して,「はい」と回答した患者群において統計学的有意にPPD,CAL,BOPの数値が高かった。また上記の設問で「はい」と答えた患者群では,4 mm以上の歯周ポケットを有する者が多かった。今回の調査から,歯周病患者をスクリーニングするのに有効な設問が示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.60.183