歯周病対策としてのバイオフィルム制御の展望

このミニレビューでは, 超高齢社会で医療が高度に発展した結果として易感染性者が増加した日本社会において, 全身の健康に密接に関わる歯周病の対策の基本である口腔細菌バイオフィルムを長期間制御するために, 伝統的ではあるが革新的な存在に変わりうる自然素材の応用に関する考えを纏める. 「1. 新しいバイオフィルム対策が求められる社会情勢」 歯科の2大疾患である歯周病とう蝕は口腔細菌の感染によって発症するものであるが, これらの原因菌は常在細菌とも考えられ, 増殖すると歯面等にバイオフィルムを形成する. バイオフィルムが発達すると, マイナーであった細菌(嫌気性のグラム陰性菌など)がメジャーな存在とな...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2016/12/31, Vol.58(4), pp.229-235
1. Verfasser: 高柴, 正悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:このミニレビューでは, 超高齢社会で医療が高度に発展した結果として易感染性者が増加した日本社会において, 全身の健康に密接に関わる歯周病の対策の基本である口腔細菌バイオフィルムを長期間制御するために, 伝統的ではあるが革新的な存在に変わりうる自然素材の応用に関する考えを纏める. 「1. 新しいバイオフィルム対策が求められる社会情勢」 歯科の2大疾患である歯周病とう蝕は口腔細菌の感染によって発症するものであるが, これらの原因菌は常在細菌とも考えられ, 増殖すると歯面等にバイオフィルムを形成する. バイオフィルムが発達すると, マイナーであった細菌(嫌気性のグラム陰性菌など)がメジャーな存在となってバイオフィルムの性状を病原性に変化させる. 一方で, ブラッシングによって歯面からバイオフィルムを除去しても数時間後にはバイオフィルムが再形成されてしまうので, これを1日の内には1~2回のブラッシングを行うことによって除去するというサイクルを繰り返すことになる.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.58.229