歯周組織再生における脱分化脂肪細胞のポテンシャル

「1. はじめに」現在の再生治療は, 細胞基盤の観点から, 組織を再構築する能力を有する幹細胞が注目されている. 幹細胞には受精卵由来の胚性幹細胞 (embryonic stem cells ; ES細胞), 体細胞由来の体性幹細胞があるが, 倫理的な問題から, 現在は体性幹細胞が広く臨床応用されている. 歯周組織の再生には, 1960年代から骨移植術が行われ, 1980年代以降は組織再生誘導 (guided tissue regeneration ; GTR) 法, エナメルマトリックスデリバティブ (enamel matrix derivative ; EMD) が臨床応用されるようになっ...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2015/06/28, Vol.57(2), pp.76-82
Hauptverfasser: 清水, 豊, 丸山, 昂介, 坪川, 瑞樹, 佐藤, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」現在の再生治療は, 細胞基盤の観点から, 組織を再構築する能力を有する幹細胞が注目されている. 幹細胞には受精卵由来の胚性幹細胞 (embryonic stem cells ; ES細胞), 体細胞由来の体性幹細胞があるが, 倫理的な問題から, 現在は体性幹細胞が広く臨床応用されている. 歯周組織の再生には, 1960年代から骨移植術が行われ, 1980年代以降は組織再生誘導 (guided tissue regeneration ; GTR) 法, エナメルマトリックスデリバティブ (enamel matrix derivative ; EMD) が臨床応用されるようになった. 骨移植術は, 骨再生を期待できるが, 歯周組織再生に必須なセメント質の再生には至らず, GTR法やEMDは, 既存の限られた組織の限られた細胞を応用する考えである. そこで, 予知性の高い再生を求めた治療法として, 骨髄間葉系幹細胞 (bone marrow mesenchymal stem cells ; BMSCs) を歯周組織再生に応用した研究が広く行われるようになった.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.57.76