外傷性咬合を伴った慢性歯周炎の一症例

ブラキシズム,早期接触などに起因する外傷性咬合は,歯周炎進行に深い関わりがあると言われている。 今回,外傷性咬合を伴ったと思われる限局型慢性歯周炎患者に対し,治療の早期段階より咬合の調整と安定に努めた一症例を報告する。 患者は 30 歳の女性で,ブラッシング時の歯肉出血が気になり来院した。 臨床所見は臼歯部にわずかな発赤と歯肉退縮を認めた。PCR33.7%,BOP18.6%,臼歯部には 4 mm〜7 mm の歯周ポケットと 1 度〜2 度の動揺を認めた。 咬合検査の結果,咬合性外傷が認められたため,プラークコントロールと同時に外傷性咬合の除去を開始した。 すなわち患者教育,自己暗示法を歯科衛生...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2014/07/03, Vol.56(2), pp.203-208
Hauptverfasser: 長谷川, 沙弥, 内山, 美幸, 坂井, 由紀, 中村, 俊美, 阿部, 祐三, 佐藤, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ブラキシズム,早期接触などに起因する外傷性咬合は,歯周炎進行に深い関わりがあると言われている。 今回,外傷性咬合を伴ったと思われる限局型慢性歯周炎患者に対し,治療の早期段階より咬合の調整と安定に努めた一症例を報告する。 患者は 30 歳の女性で,ブラッシング時の歯肉出血が気になり来院した。 臨床所見は臼歯部にわずかな発赤と歯肉退縮を認めた。PCR33.7%,BOP18.6%,臼歯部には 4 mm〜7 mm の歯周ポケットと 1 度〜2 度の動揺を認めた。 咬合検査の結果,咬合性外傷が認められたため,プラークコントロールと同時に外傷性咬合の除去を開始した。 すなわち患者教育,自己暗示法を歯科衛生士が行い,早期接触を認めた際は歯科医師による咬合調整を歯周外科治療,補綴治療時も継続して行い,SPT に移行した。 本症例は,外傷性咬合の除去を早期より行うことで,歯周炎の治療が良好に経過したと考えられる。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(2):203-208,2014
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.56.203