慢性歯周炎患者における歯間離開度と咬合力の関係

本研究の目的は歯周基本治療によって歯間離開度が変化するかを明らかにし,同時に歯間離開度の変化と咬合力の変化の関係を検証することである。インフォームドコンセントが得られた20名(男性15名, 女性5名,平均54.8±10.71歳)の広汎型慢性歯周炎患者に対して歯周基本治療を行った。歯間離開度の測定には3種類のS. Dコンタクトゲージ®(サンデンタル社製)を使用した。咬合力は, Dental Prescale®(GC社製)を用いて測定し, 歯間部に対応して算出した。初診時に50μm以下であった歯間部を除外した206の歯間部を対象として解析を行った。臨床パラメータは, 初診時と歯周基本治療終了時に計...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2010, Vol.52(4), pp.409-418
Hauptverfasser: 有田, 裕美, 中島, 啓介, 村岡, 宏祐, 横田, 誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は歯周基本治療によって歯間離開度が変化するかを明らかにし,同時に歯間離開度の変化と咬合力の変化の関係を検証することである。インフォームドコンセントが得られた20名(男性15名, 女性5名,平均54.8±10.71歳)の広汎型慢性歯周炎患者に対して歯周基本治療を行った。歯間離開度の測定には3種類のS. Dコンタクトゲージ®(サンデンタル社製)を使用した。咬合力は, Dental Prescale®(GC社製)を用いて測定し, 歯間部に対応して算出した。初診時に50μm以下であった歯間部を除外した206の歯間部を対象として解析を行った。臨床パラメータは, 初診時と歯周基本治療終了時に計測した。その結果, (1)歯間離開度は有意に減少した。(2)咬合力は有意に増加した。(3)歯間離開度の減少量が大きいほど咬合力の増加量は有意に大きく, 歯間離開度の変化量と咬合力の変化量の間には負の相関が認められた。(4)歯種別に解析したところ,大臼歯群で歯間離開度の変化量と咬合力の変化量とに有意な相関が認められた。 歯周基本治療による歯間離開度の改善は, 炎症の消退による歯間接触点の緊密化が生じたことにより, 咬合力の増加を引き起こしたと考えられる。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)52(4) : 409-418, 2010.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.52.409