ラット歯肉切除後の創傷治癒に及ぼすニコチン経口摂取の影響

歯周組織に及ぼす喫煙の影響を検討する目的で, 歯肉の創傷治癒に及ぼすニコチンの影響について組織学的に検討した。ラット上顎大臼歯部口蓋歯肉を電気メスにて切除した。濃度0.1%, 0.01%, 0.001%のニコチン水溶液を経口投与させた。対照群には蒸留水を与えた。14日後に実験部位を採取した後, 組織切片とし, 組織化学的および組織計測を行った。ニコチン水溶液摂取群では組織計測の結果から歯肉の創傷治癒が遅延した。組織化学的に観察したところニコチン水溶液摂取群では組織中に炎症性細胞の残存と結合組織再生の遅延が見られた。これらの結果からラット実験的歯肉切除後の歯肉の創傷治癒にニコチン摂取が抑制的に関...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2009, Vol.51(2), pp.162-168
Hauptverfasser: 上野, 健一郎, 金山, 圭一, 北後, 光信, 白木, 雅文, 渋谷, 俊昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周組織に及ぼす喫煙の影響を検討する目的で, 歯肉の創傷治癒に及ぼすニコチンの影響について組織学的に検討した。ラット上顎大臼歯部口蓋歯肉を電気メスにて切除した。濃度0.1%, 0.01%, 0.001%のニコチン水溶液を経口投与させた。対照群には蒸留水を与えた。14日後に実験部位を採取した後, 組織切片とし, 組織化学的および組織計測を行った。ニコチン水溶液摂取群では組織計測の結果から歯肉の創傷治癒が遅延した。組織化学的に観察したところニコチン水溶液摂取群では組織中に炎症性細胞の残存と結合組織再生の遅延が見られた。これらの結果からラット実験的歯肉切除後の歯肉の創傷治癒にニコチン摂取が抑制的に関与することが示唆された。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)51(2) : 162-168, 2009
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.51.162