歯周病関連細菌に対する各種抗菌剤の抗菌力について

本研究では, 近年歯科領域において高い頻度で使用されている12種類の抗菌剤の歯周病関連細菌を含むバイオフィルム構成細菌13菌種23菌株に対する有効性についてin vitroにおける検討を行った。寒天平板希釈法に準じて各菌株に対する薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した結果, βラクタム系抗菌剤は今回使用した全ての実験室株, 臨床株に対して優れた抗菌力を示した。とくに成人性歯周炎の病原性菌の1つであるPorphyromonas gingivalisをはじめFusobacterium nucleatum, Prevotella intermedia, Prevotella nigresce...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2005, Vol.47(3), pp.146-152
Hauptverfasser: 前田, 亮, 石原, 和幸, 穂坂, 康朗, 中川, 種昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 近年歯科領域において高い頻度で使用されている12種類の抗菌剤の歯周病関連細菌を含むバイオフィルム構成細菌13菌種23菌株に対する有効性についてin vitroにおける検討を行った。寒天平板希釈法に準じて各菌株に対する薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した結果, βラクタム系抗菌剤は今回使用した全ての実験室株, 臨床株に対して優れた抗菌力を示した。とくに成人性歯周炎の病原性菌の1つであるPorphyromonas gingivalisをはじめFusobacterium nucleatum, Prevotella intermedia, Prevotella nigrescens, Tannerella forsythensisに対して0.002—0.5μg/mlと優れた抗菌力を示した。キノロン系抗菌剤は, Actinobacillus actinomycetemcomitansに対して0.008—0.03μg/mlと極めて高い抗菌力を示した。マクロライド系抗菌剤はP.gingivalisに対して0.03—1μg/mlと高い抗菌力を示したが, 他の歯周病関連細菌に対しては菌種によりMICに幅があった。これらの結果から現在広く使用されている抗菌剤は今回使用した歯周病関連細菌に対して有効であったが, その抗菌力にはそれぞれ特徴があり, 抗菌剤選択にあたり細菌叢の検索を行う必要のあることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.47.146