BMP-2の歯根象牙質表面への塗布による歯周組織再生

本研究の目的は, BMP-2を歯根象牙質表面に塗布することが, 歯周組織再生に与える影響を検討することである。 イヌ上下顎前臼歯歯根頬側部を部分層弁剥離して骨膜を除去した後, 裂開状骨欠損を作成して歯根膜, セメント質を除去した。象牙質表面を処理しないものを未処理群, 象牙質表面を24% EDTAで脱灰処理後, さらに0, 100, 400, 1000 μg/mlの濃度に調整したBMP-2を塗布したものをそれぞれ0群, 100群, 400群, 1000群とし, 4, 8週後に病理組織学的観察と組織学的計測を行った。 その結果, セメント質新生率は8週の1000群が62.6±15.0%で0群の3...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2004, Vol.46(4), pp.278-287
Hauptverfasser: 伊部, 敬介, 宮治, 裕史, 菅谷, 勉, 川浪, 雅光
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, BMP-2を歯根象牙質表面に塗布することが, 歯周組織再生に与える影響を検討することである。 イヌ上下顎前臼歯歯根頬側部を部分層弁剥離して骨膜を除去した後, 裂開状骨欠損を作成して歯根膜, セメント質を除去した。象牙質表面を処理しないものを未処理群, 象牙質表面を24% EDTAで脱灰処理後, さらに0, 100, 400, 1000 μg/mlの濃度に調整したBMP-2を塗布したものをそれぞれ0群, 100群, 400群, 1000群とし, 4, 8週後に病理組織学的観察と組織学的計測を行った。 その結果, セメント質新生率は8週の1000群が62.6±15.0%で0群の39.6±13.7%と比較して有意に大きい値を示した。またBMP-2を塗布した群では既存のセメント質と連続しないセメント質様硬組織が観察された。骨性癒着率は4週の400群, 1000群でわずかに観察された。また, 8週の骨性癒着はごくわずかで, すべての群間に有意差は認められなかった。新生骨はすべて既存の歯槽骨と連続して形成され, 8週後の400群と1000群の歯槽骨新生率はそれぞれ59.4±15.7%, 62.4±11.1%で未処理群21.3±16.8%, 0群39.7±16.1%と比較して有意に大きかった。接合上皮深部増殖率は, 8週において400群と1000群が0群と比較して有意に小さかった。 これらの結果から歯根象牙質表面にBMP-2を塗布することは歯周組織の再生に有効であることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.46.278