歯周組織に及ぼすウコンの効果

【目的】歯周疾患成因のメカニズムを生体酸化の面から検討する過程で, 生薬ウコンに抗炎症作用, 抗菌作用の他, 抗酸化作用があることに着目して, 歯磨きをする際多くの人鞭用する歯磨剤にウコンを混合して, 歯周組織破壊の予防としてのウコンの効果について観察した. 【材料および方法】1. 「ウコンの抗酸化作用」:化学発光法により観察した. 2. 「培養ヒト歯根膜線維芽細胞へのウコンの影響」:種々の濃度の春ウコン溶液, 秋ウコン溶液, がじゅつ溶液を作用させ, 撤種後1日, 3日, 5日の細胞の状態を位相差顕微鏡で観察した. 3. 「歯周組織への影響」:対象者は, 一般歯科医院に来院した成人で, 歯肉...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 2003, Vol.45 (suppl-2), p.144-144
Hauptverfasser: 鈴木幸江, 山口和美, 西村康, 川瀬俊夫, 塗々木和男, 神田善行, 木下藤朗, 野村隆祥, 横溝真一, 西口栄子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】歯周疾患成因のメカニズムを生体酸化の面から検討する過程で, 生薬ウコンに抗炎症作用, 抗菌作用の他, 抗酸化作用があることに着目して, 歯磨きをする際多くの人鞭用する歯磨剤にウコンを混合して, 歯周組織破壊の予防としてのウコンの効果について観察した. 【材料および方法】1. 「ウコンの抗酸化作用」:化学発光法により観察した. 2. 「培養ヒト歯根膜線維芽細胞へのウコンの影響」:種々の濃度の春ウコン溶液, 秋ウコン溶液, がじゅつ溶液を作用させ, 撤種後1日, 3日, 5日の細胞の状態を位相差顕微鏡で観察した. 3. 「歯周組織への影響」:対象者は, 一般歯科医院に来院した成人で, 歯肉炎または軽度の歯周炎に罹患している男子11名, 女子32名(年齢20歳代5名, 30歳代3名, 40歳代8名, 50歳代17名, 60歳代10名). 試験群は0. 2%春ウコンを含む歯磨剤, 対照群は春ウコンを含まない歯磨剤を使用した. 試験群, 対照群共に歯磨剤0. 5g使用し, スクラビング法で1日2回(朝, 夕)ブラシングさせ, 2週間毎8週間観察した. 【結果および考察】1. 化学発光法を用いて, ウコンの活性酸素消去能を観察した結果, 春ウコン, 秋ウコン, がじゅつの順に効果が観察された. 2. 培養ヒト歯根膜線維芽細胞に各種濃度の春ウコン溶液, 秋ウコン溶液, がじゅつ溶液作用させた結果, 高濃度では, 細胞の溶解が観察されたが, 0.001%, 0.005%の春ウコン溶液, 秋ウコン溶液, がじゅつ溶液共に, 作用後, 1日目, 3日目, 5日目の細包の状態は, コントロールと同様に細胞の形態変化も観察されず良好であった. 3. 他覚症状のうち, ポケットの深さ, 出血状態etcにおいて, 試験群の方が, 対照群よりも症状の軽減が観察された. これらの結果より, ウコン入り歯磨剤は歯肉炎, 軽度の歯周炎の改善に効果があると考えられる.
ISSN:0385-0110