私のPorphyromonas gingivalis研究-受賞課題「Porphyromonas gingivalis線毛の付着能と遺伝子多型の歯周病原性への影響」
昨年, 「Porphyromonas gingivalis線毛の付着能と遺伝子多型の歯周病原性への影響」という研究課題に対して本学会学術賞を戴きました. 今回の発表の場をお借りして厚くお礼申し上げますと共に, 受賞研究の概要と私のバイオスケッチなどをお話しさせて頂きたいと思います. 歯周病は細菌感染症的色彩が強い疾患であり, 特にP. gingivalisが有力な歯周病原性菌であることは世界的に多数の研究者に支持されています. P. gingivalisの菌体表層構造物である線毛は1984年にその精製が報告されて以来, 本菌の様々な病原性の発揮に関与していると推測され世界的に活発な研究のターゲ...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 2003, Vol.45 (suppl-2), p.67-67 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 昨年, 「Porphyromonas gingivalis線毛の付着能と遺伝子多型の歯周病原性への影響」という研究課題に対して本学会学術賞を戴きました. 今回の発表の場をお借りして厚くお礼申し上げますと共に, 受賞研究の概要と私のバイオスケッチなどをお話しさせて頂きたいと思います. 歯周病は細菌感染症的色彩が強い疾患であり, 特にP. gingivalisが有力な歯周病原性菌であることは世界的に多数の研究者に支持されています. P. gingivalisの菌体表層構造物である線毛は1984年にその精製が報告されて以来, 本菌の様々な病原性の発揮に関与していると推測され世界的に活発な研究のターゲットとなってきました. 私は線毛精製の年に大学を卒業しました. 予防歯科学講座でP. gingivalis研究の機会を得, その後, 障害者歯科, 新設の基礎教室へと母校で3度身の置き場所を変えましたが, P. gingivalisとの付合いは途切れませんでした. 今回, 受賞対象とさせて頂いたP. gingivalis線毛の研究は1995年に開始し, 初期の研究では, 唾液成分/歯周ポケット成分と線毛との特異的結合の解析を行い同菌の口腔定着への線毛の関与を示しました. また, 線毛の結合を抑制するペプチドを分泌するStreptococcus gordonii株を作出し, リプレイスメントセラピーの可能性を示唆しました. 後期の研究では, 線毛サブユニットタンパクをコードするfimAを6つの遺伝子多型に分類し, 歯周炎患者プラーク中の遺伝子多型分布を検索しました. その結果, 特定のfimA型をもつP. gingivalisの歯周炎発症への関与を示唆する知見が得られました. また, 実験室レベルでもfimA遺伝子多型により宿主への為害性が異なっている事も示され, これらの研究は現在行っている同菌の細胞進入の分子メカニズムの解析研究に繋がっております. 「研究内容はスライド1枚, 研究を始めたきっかけ, 苦労話, 研究仲間などのエピソード披露を中心に」と伺っておりますので, 朝9時の眠気覚ましに心掛けたいと思っております. |
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ISSN: | 0385-0110 |