学童期における歯周炎早期発見のための効果的なスクリーニング方法の検討-CPITNコード3以上とアタッチメントロスとの関係

高齢者のQOL(Quality of life)にとっても重要な要件のひとつになり得る健康な歯周組織を維持するためには, 可及的に低年齢層から歯周組織の実態を把握し, 歯周疾患に対する予防対策を講ずる必要がある. 本研究では, 学童期の歯周疾患の罹患状況を把握する目的で小学児童1学年から6学年までの児童330名を対象として, PMA指数, プラーク指数およびCPITN(Community periodontal index of treatment needs)を用いて疫学調査を行った. その結果, PMA指数は2学年から3学年にかけて急激に高くなり, 高学年になるに従い上昇した. またCPI...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1998-10, Vol.40 (4), p.400-410
Hauptverfasser: 牛島直文, 内藤徹, 日高理智, 横田誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者のQOL(Quality of life)にとっても重要な要件のひとつになり得る健康な歯周組織を維持するためには, 可及的に低年齢層から歯周組織の実態を把握し, 歯周疾患に対する予防対策を講ずる必要がある. 本研究では, 学童期の歯周疾患の罹患状況を把握する目的で小学児童1学年から6学年までの児童330名を対象として, PMA指数, プラーク指数およびCPITN(Community periodontal index of treatment needs)を用いて疫学調査を行った. その結果, PMA指数は2学年から3学年にかけて急激に高くなり, 高学年になるに従い上昇した. またCPITN値も学年が進むにつれて高くなる傾向が認められた. 同様にPMA指数およびプラーク指数が高いほどCPITN値も大きくなる傾向がみられた. さらに被験歯がCPITNコード3以上を認めた児童を対象とし, 詳細にPPD, アタッチメントロスを調べた再調査結果では, アタッチメントロスが従来報告されている結果よりも高頻度に認められた. 以上の結果より, 学童期における歯周疾患の実態調査とその予防対策の必要性が明らかになるとともに, CPITNを用いたスクリーニング調査により高度のポケットを有する者のみを対象にし, 精密な検査を行う本研究方法は, 若年性歯周炎を早期に検出するシステムとして大変有効であることが示唆された.
ISSN:0385-0110