疑似カラー画像を用いた歯周外科処置後の歯槽骨の定量評価について

本研究の目的は, コンピュータにより規格X線写真を疑似カラー処理することによって, 歯周外科手術後の歯槽骨の変化を定量することである。下顎右側臼歯部に骨内欠損が存在する一症例を対象とした。術前に撮影した規格X線写真と歯周外科手術後1, 3, 5, 9, 16, 25ヵ月目に撮影した規格X線写真の合計7枚を使用して骨変化を測定した。規格X線写真はビデオ入力装置を使い256階調のグレイレベル値を持つデジタル画像としてパーソナルコンピュータ上に取り込み画像解析処理を行った。画像処理には, 1mmから8mm厚さの8つのステップを持つアルミニウムステップウエッジを参照体として使用した。7枚の規格X線写真...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1998/03/28, Vol.40(1), pp.103-110
Hauptverfasser: 遠藤, 弘康, 小松, 孝至, 松江, 美代子, 松江, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, コンピュータにより規格X線写真を疑似カラー処理することによって, 歯周外科手術後の歯槽骨の変化を定量することである。下顎右側臼歯部に骨内欠損が存在する一症例を対象とした。術前に撮影した規格X線写真と歯周外科手術後1, 3, 5, 9, 16, 25ヵ月目に撮影した規格X線写真の合計7枚を使用して骨変化を測定した。規格X線写真はビデオ入力装置を使い256階調のグレイレベル値を持つデジタル画像としてパーソナルコンピュータ上に取り込み画像解析処理を行った。画像処理には, 1mmから8mm厚さの8つのステップを持つアルミニウムステップウエッジを参照体として使用した。7枚の規格X線写真間におけるコントラスト補正後の誤差は, 1.6±1.11 (グレイレベル値, n=30, mean±SD), 画像の幾何学的変動量は, 1.8%セメントエナメル境間の距離 および0.8% (根分岐部から根尖までの距離) であり良好な再現性を示した。 疑似カラー画像の作成には各ステップウエッジの濃度に各色を対応させた。歯槽骨領域を8つの色で表示し, 1mrnAlから8mmAlのアルミニウム当量画像として表示した。歯槽骨の計測は第二大臼歯根間中隔部および第一第二大臼歯問槽間中隔部に対して行った。根間中隔部では3, 4, 5mmAlを示す歯槽骨領域が, 術後1ヵ月で術前の大きさの156.5%を示したがその後は経時的に減少し, 術後25ヵ月で術前の大きさの40.5%となることが測定できた。 斜状骨吸収が存在した槽間中隔部では3, 4, 5, 6mmAlの各歯槽骨領域をそれぞれX線写真上における歯槽骨頂として, 近心側および遠心側でのセメントエナメル境からの歯槽骨頂の位置を計測した。その結果, 術前では近心側と遠心側での歯槽骨頂位置の違いがそれぞれの歯槽骨領域で減少し, 斜状骨吸収が平坦化したのが測定できた。 以上より歯周治療の評価に際し規格X線写真を疑似カラー処理することにより歯周外科手術後の歯槽骨の変化を定量的に評価することができた
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.40.103